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2022 1 31 日 (月)
与太郎淵
 





 与太郎淵は、郡上市白鳥町歩岐島地区にあった池で、古くはコイ科フナ属の体色変異個体であるヒブナ(緋鮒)の生息域として知られていました。

 与太郎淵は1956年に埋め立てられ、現存していません。与太郎淵の実態についてはほとんど知られていませんでしたが、近年、戦前の文献や地籍図などの情報からその位置や形状が明らかになりました。

 与太郎淵の埋め立てから60年以上が経過した現在、もう痕跡すら残っていませんが、かつてここに存在していたことは記憶しておきたいものです。跡地の近くには「与太郎さま」と呼ばれる祠が地元の人々の手によってまつられており、与太郎の名を今に伝えています。


参考文献

岸 大弼.2022.現存しない与太郎淵(岐阜
 県)におけるヒブナの記録.人と自然,32:
 89-97.  <外部リンク>




与太郎淵があったあたり




与太郎さま(文献では与太郎神社
または不動様と記述されている)




2022 1 28 日 (金)
水温計の交換
 





 先日から、渓流で水温計の交換を実施中です。今日は、雪をかき分けて水温計を交換しました。

 水温計は、県内の約150ヶ所に設置してあります。来月も順次交換する予定です。










2022 1 27 日 (木)
ふ化室の管理
 





 下呂支所のふ化室は、検卵が完了したアマゴなどの発眼卵を収容して孵化させ、稚魚の餌付けを行う施設です。現在、ふ化室の水槽には、この冬に生まれたアマゴやヤマメの稚魚が収容されています(関連記事:2021年12月23日、2022年1月6・12・21日)。

 ふ化室では、水槽の掃除や餌の量の調節をこまめに行っています。稚魚は病気にかかりやすいため、しばらくの間は気を抜けない日々が続きます。










2022 1 26 日 (水)
カジカの採卵作業
 





 下呂支所でカジカの採卵を実施中です(関連記事:1月17日)。

 回収した受精卵は、卵管理用の水槽に移しています。













2022 1 25 日 (火)
カワシンジュガイ
 





 カワシンジュガイは、イシガイ目カワシンジュガイ科カワシンジュガイ属の淡水二枚貝の1種です。

 カワシンジュガイは、北海道から中国地方にかけての限られた地点にしか生息していない希少種で、天然記念物に指定されている地域も少なくありません。岐阜県内では、郡上市や高山市の生息地が天然記念物に指定されています。近年、全国各地で生息状況の悪化が懸念されており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類(EN)に選定されています。また、環境省の特定第二種国内希少野生動植物種にも選定されており、販売・頒布目的での捕獲や譲り渡しが規制されています。

 カワシンジュガイは、県内外のいずれの生息地においても減少や絶滅のおそれがあるため、生息地の保全や生息状況の把握に取り組むことが望まれます。


参考文献

岸 大弼・伊藤健吾・秋山吉寛・竹内 基・
 近藤高貴.2019.宿主に寄生中のカワ
 シンジュガイ幼生が有する一時的な塩分
 耐性.Venus,77: 54-58.
 < 外部リンク >










2022 1 24 日 (月)
水温計のデータ回収
 





 下呂支所で水温計のデータ回収を行いました。

 下呂支所では、敷地内の井戸や水路など計6ヶ所で水温を計測しており、データ回収や電池交換を定期的に行っています。冬季は、他の時期と比べて電池の消耗が早いため、こまめに点検しています。







2022 1 21 日 (金)
ヤマメの池出し
 





 今週、下呂支所でヤマメの稚魚の「池出し」を行いました(関連記事:2021年12月23日、2022年1月6日)。

 池出しは、ふ化水槽からふ化盆を取り出し、中に入っている稚魚を餌付け用の水槽に移す作業のことです。餌付けのタイミングが遅れると稚魚の生残率が悪化するおそれがあるため、水温や稚魚の成育状況を勘案して池出しの時期を調整しています。




ふ化水槽




ふ化盆を取り出す




餌付け用の水槽に移動




餌付け要の水槽




バンドを外す




ふ化盆を1枚ずつ外す




餌付け用の水槽に稚魚を出す










2022 1 20 日 (木)
水温計の交換
 





 昨日に引き続き、渓流で水温計の交換を行いました。

 今日の作業では、3ヶ所の水温計を交換しました。







2022 1 19 日 (水)
水温計の交換
 





 渓流で水温計の交換を行いました。

 今日の作業では、7ヶ所の水温計を交換しました。










2022 1 18 日 (火)
飼育魚の体サイズ測定
 





 今週、下呂支所でニジマスの体サイズ測定を行いました。

 同じ魚種であっても系統によって成長速度に差が生じることがありますし、同じ系統であっても飼育方法によって差が生じることもあります。下呂支所では、飼育魚の体サイズ測定を目的に応じて随時行っています。










2022 1 17 日 (月)
カジカの採卵作業
 





 下呂支所でカジカの採卵が始まりました。

 カジカは、雄親が石の下に巣を作り、そこへ雌親が次々とやってきて卵を産み付けます。下呂支所では、石の代わりに鉄製アングル材(L字鋼)を水槽内に設置して産卵させています (関連記事:2021年12月24日)。回収した受精卵は、卵管理用の水槽に移しています。










直径 約2mm 、重量 約0.007g




2022 1 14 日 (金)
雪が積もりました
 





 本所がある各務原市でも雪が積もりました。

 朝、雪に残された足跡を発見しました。研究所のまわりを何者かが走り回っていたようです。




2022 1 13 日 (木)
大雪警報
 





 飛騨地方南部では、朝から雪が降り続いており、昼過ぎには大雪警報が発令されました。

 下呂支所では、通路の除雪や飼育池の防鳥ネットの点検などの作業に職員が追われています。













2022 1 12 日 (水)
アマゴ・ヤマメの稚魚の餌付け
 





 下呂支所のふ化室でアマゴ・ヤマメの稚魚の餌付けを実施中です。

 餌が不足すると成長が悪くなる一方、多過ぎると食べ残した餌に水カビが発生して病気が出やすくなります。餌の量の調節と水槽のこまめな掃除が欠かせません。







2022 1 11 日 (火)
ニジマスの発眼卵の検卵作業
 





 下呂支所でニジマスの発眼卵の検卵作業を実施しました。

 今回は、昨年12月に人工受精を行ったニジマスのアルビノの卵の検卵作業を実施しました(関連記事:2021年12月13日)。













2022 1 10 日 (月)
苔川の「すのり」
 





 「すのり」は、かつて高山市の苔(すのり)川に分布していたカワモズク科の淡水藻類で、昭和時代中期まで利用されてきた伝統的な食材です(関連記事:2018年5月23日)。

 藻類の食材としての利用は、海域や汽水域の種を対象とするものが一般的であり、淡水域の種を対象とするものは多くありません。苔川の「すのり」は、淡水藻類を食用とする数少ない事例のひとつであり、その中でも江戸時代から昭和時代にかけての複数の文献で紹介されている貴重な事例です。それらの文献の情報から、高山市における「すのり」の食文化は、少なくとも200年に及ぶものであることが明らかになっています。

 しかし、苔川周辺の市街地化が進んだ1950年以降は「すのり」の生育は報告されておらず、現在はその食文化が途絶した状態です。ここ数年、苔川で「すのり」を探しましたが、残念ながら、再発見には至っていません。


参考文献

岸 大弼.2018.岐阜県高山市の苔川における
 食用藻類“すのり”の過去の分布および利用.
 地域生活学研究,9: 1-15.
 < 外部リンク >

岸 大弼・洲澤多美枝・袖垣一也.2020.岐阜
 県の小坂川支流における紅藻チャイロカワモ
 ズクの生育環境.藻類,68: 73-76.
 < 外部リンク >




苔橋







2022 1 7 日 (金)
水温計の交換
 





 渓流で水温計の交換を行いました。

 今日の作業では、6ヶ所の水温計を交換しました。










2022 1 6 日 (木)
ヤマメの池出し
 





 先日に引き続き、下呂支所でヤマメの稚魚の「池出し」を行いました(関連記事:2021年12月23日)。

 池出しは、ふ化水槽からふ化盆を取り出し、中に入っている稚魚を餌付け用の水槽や飼育池に移す作業のことです。餌付けのタイミングが遅れると稚魚の生残率が悪化するおそれがあるため、水温や稚魚の成育状況を勘案して池出しの時期を調整しています。










2022 1 5 日 (水)
寒い日が続く
 





 下呂支所のある下呂市萩原町では、雪は少ないものの寒い日が続いています。

 凍結に備えて、職員が飼育施設や配管の点検を行っています。










2022 1 4 日 (火)
水温計のデータ回収
 





 下呂支所で水温計のデータ回収を行いました。

 下呂支所では、敷地内の井戸や水路など計6ヶ所で水温を計測しており、データ回収や電池交換を定期的に行っています。
















2022 1 3 日 (月)
井戸の水位が異常低下
 





 下呂支所の第5号井戸で水位の異常低下が続いています。

 下呂支所の横を流れる飛騨川(益田川)は、昨年8月の豪雨による大増水(関連記事:2021年8月13−15・17−19日)で流路が下呂支所から離れた位置に移ってしまったほか、水面の位置が以前より低下してしまいました。このあたりの地下水の水位は飛騨川の水位と連動しているため、下呂支所の井戸の水位もこれまでに経験したことのない低い状態になってしまいました。

 この井戸水は、アマゴ・ヤマメ等の卵の管理および稚魚の飼育(関連記事:2021年11月14日、12月3・23日; 2022年1月6・14日)などに不可欠です。あと少し水位が低下するとポンプが空中に露出して水の汲み上げが不可能になるおそれがありますが、有効な手立てがなく対応に苦慮しています。







2022 1 2 日 (日)
年末年始の飼育管理
 





 年末年始も職員が交代で出勤して飼育管理を行っています。

 下呂支所では、敷地全体を巡回して飼育池のスクリーンの掃除や給餌機への餌の補充などを行いました。







2022 1 1 日 (土)
本年もよろしくお願いします
 





 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。










記 事

与太郎淵
水温計の交換
ふ化室の管理
カジカの採卵作業
カワシンジュガイ
水温計の
データ回収
ヤマメの池出し
水温計の交換
水温計の交換
飼育魚の
体サイズ測定
カジカの採卵作業
雪が積もりました
大雪警報
アマゴ・ヤマメの
稚魚の餌付け
ニジマスの
発眼卵の検卵作業
苔川の「すのり」
水温計の交換
ヤマメの池出し
寒い日が続く
水温計の
データ回収
井戸の水位が
異常低下
年末年始の
飼育管理
本年もよろしく
お願いします


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