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せかぶ日誌
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2014 年 4 月

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2014 4 30 日 (水)
養殖魚の魚病診断
 





 下呂支所に県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回、診断の依頼があったのはイワナとニジマスです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫 ・細菌 ・ウイルスの有無などを調べて死亡原因を明らかにし、養殖業者に対応策を指導しています。








2014 4 29 日 (火)
サクラマスの雌雄同体
 





 古くからふ化放流事業や養殖が行われているサケ科魚類では、生殖腺が発達した成熟個体を多数取り扱うという背景もあって、雌雄同体の個体が比較的多く見つかっています。サケ科サケ属の中では、カラフトマスおよびサクラマス群を除くほぼすべての魚種で雌雄同体個体が確認されています。ただし、サクラマス (ヤマメ) の雌雄同体個体は、性ホルモン処理による作出事例はあるものの、自然水域または養殖場における自然発生的な出現事例はこれまで報告されていませんでした。

 2009 年の秋、下呂支所で飼育中のサクラマス (ヤマメ) から雌雄同体が 1 個体発見されました (関連記事 : 2009 年 11 月 23 日)。当研究所では、水産試験場の時代からアマゴやヤマメなどの飼育を半世紀近く続けていますが、今までいずれの魚種でも雌雄同体は確認されておらず、当研究所にとっても今回の個体が初めてかつ唯一という珍しい事例です。







卵巣 (左側) と 精巣 (白色の部分)


 下呂支所では、この個体の計測形質を調査し、通常の雌や雄と比較しました。その結果、吻長 ・尻鰭長は雌に類似するものの、背鰭前長は雄に類似しており、雌雄両方の特徴を有することが分かりました。また、上顎長 ・頭長 ・脂鰭長は、雌雄の中間的な値であることも分かりました。

 この個体は採卵作業中に偶然発見されたもので、当初は外観から雌と判断していましたが、実際には雌 ・雄 ・中間それぞれの形質が混在していることが明らかになりました。ただし、雌雄同体個体の計測形質の調査事例が不足しているため、こうした現象がサケ科魚類の雌雄同体個体に普遍的なものであるのか、あるいは今回の 1 個体に特異的なものであるのかどうかは判断できません。今後、雌雄同体個体が発見された場合には、計測形質の知見を蓄積することが望まれます。


参考文献

岸 大弼 ・藤井亮吏 ・原 徹 ・熊ア隆夫 ・苅谷哲治 ・
 森 美津雄・コ原哲也.2014.継代飼育サクラマスから
 得られた雌雄同体個体.魚類学雑誌,61: 44-46.





2014 4 28 日 (月)
ニジマスの発眼卵の検卵作業
 





 下呂支所では、今週もニジマスの発眼卵の検卵作業を実施中です。

 現在は、3 月下旬から 4 月上旬にかけて人工受精を行った卵が発眼期を迎えており、検卵作業を順次行っています。




発生の最終段階の卵は、発現した眼球が
透けて見えることから 「発眼卵」 と呼ばれる




検卵機による除去では、少数の死卵
(白く変色した卵) が残るため、残った死卵を
目視観察と手作業で取り除くことが不可欠




目視観察と手作業による検卵





2014 4 25 日 (金)
水田魚道に 「自動計数装置」 を設置
 





 海津市で田植えが始まりました。海津市は、岐阜県内で最も早く田植えが始まる地域のひとつです。

 水田魚道が設置された海津市の水田に岐阜県情報技術研究所が開発した 「自動計数装置」 を設置しました。自動計数装置とは、魚が水田魚道を通過すると、通過した時間や魚の映像写真などを自動的に記録してくれる装置です。これから長期にわたる稲作の期間、この自動計数装置により、水田魚道の長期モニタリングを継続する予定です。





2014 4 24 日 (木)
放流用種苗育成手法開発事業 計画検討会
 





 「放流用種苗育成手法開発事業」 の計画検討会が水産庁で開催されました。

 当研究所の職員は、今年度のアマゴの調査計画について発表し、(独) 水産総合研究センターや他県の研究機関の職員と意見交換を行いました。








2014 4 23 日 (水)
ニジマスの発眼卵をふ化室に収容
 





 下呂支所でニジマスの発眼卵をふ化室に収容しました。

 ふ化室への収容は、検卵を実施した後に行っています。ふ化室では、まず 「ふ化盆 (ふかぼん)」 と呼ばれる枠付きの金網に発眼卵を 500〜1000 個に小分けして入れます。ふ化盆は 10 枚程度重ねた状態で上下を針金で固定し、ふ化水槽の中に設置します。ふ化水槽では、井戸水を流してふ化盆の中で発眼卵をふ化させた後、仔魚期の終わりまで収容しています。




検卵後の発眼卵を卵管理室から ふ化室に移送




ふ化盆に発眼卵を小分けして入れる




発眼卵を小分けした ふ化盆を重ねる










重ねた ふ化盆の上下を針金で固定




ふ化水槽に入れる




ふ化盆とふ化水槽との隙間を 縄でふさぐ




ふ化水槽に ふたをして遮光し、井戸水を
流しながら、餌付け直前まで収容





2014 4 22 日 (火)
飼育池の掃除
 





 下呂市萩原町では、このところ暖かい日が続いたためか、桜が一気に散りました。

 下呂支所の飼育池では、流下してくる花びらの量が急に増えました。水路沿いの桜の花びらが集まってくるので、かなりの量です。職員が飼育池のスクリーンの掃除に追われています (関連記事 : 4 月 18 日)。

















2014 4 21 日 (月)
ニジマスの発眼卵の検卵作業
 





 今週も下呂支所でニジマスの発眼卵の検卵作業を実施しています。

 現在は、3 月下旬に人工受精を行った卵が発眼期を迎えており、検卵作業を順次進めています。




目視観察と手作業による検卵





2014 4 18 日 (金)
花びら
 





 下呂市内でも桜が満開となり見ごろを迎えています。満開となり次にやってくるのが、大量の花びらです。上流から水路を伝って流れてきます。

 川面を流れる花びらは美しいのですが、最終的なゴールは下呂支所の飼育池となってしまうことが多いので、スクリーンが詰まる前に掃除が必要です。


















2014 4 17 日 (木)
ニジマスの発眼卵の検卵作業
 





 下呂支所でニジマスの発眼卵の検卵作業が続いています。

 現在は、3 月中旬から 下旬にかけて人工受精を行った卵が発眼期を迎えており、検卵作業を順次進めています。




目視観察と手作業による検卵




検卵後の卵の計量




網袋に小分けして入れる







保冷箱に入れて梱包し、養殖業者に発送





2014 4 16 日 (水)
ニジマスの発眼卵の検卵作業
 





 下呂支所でニジマスの発眼卵 (はつがんらん) の検卵 (けんらん) 作業が始まりました。

 発生の最終段階の卵は、発現した眼球が透けて見えることから 「発眼卵」 と呼ばれます。卵は、受精後しばらく安静が必要ですが、発眼卵の段階になると外部からの衝撃に比較的強くなり、収容水槽から取り出すことができるので、検卵機により生卵と死卵とを分別する作業が可能になります。死卵を放置すると、水カビ発生の原因となるので取り除かなければなりません。ただし、検卵機による除去では、少数の死卵が残るため、残った死卵を目視観察と手作業で取り除く必要があります。

 これらの作業は 「検卵」 と呼ばれ、卵の出荷やふ化室への移送の前に必ず行っています。検卵が終了した発眼卵は、養殖業者への出荷や当研究所での継代飼育などに使用しています。




検卵機




検卵機で分別された
死卵 (左側のざる) と 生卵 (右側のざる)




死卵




生卵




検卵機を使用しても少数の死卵が残るため、
目視観察と手作業による検卵も不可欠





2014 4 15 日 (火)
カジカがふ化
 





 下呂支所でカジカのふ化が続いています (関連記事 : 3 月 17 ・25 日、4 月 4 日)。

 カジカは、ふ化から 1 ヶ月半ほどの間は人工海水 (関連記事 : 2 月 21 日 ・3 月 14 日) を循環させた水槽で飼育します。循環水槽は、かけ流し水槽と異なり、水がすぐに汚れるので、スクリーンの掃除や人工海水の交換が欠かせません。手を抜くと仔魚の大量死を引き起こすおそれがあるので、飼育管理をこまめに行う必要があります。




ふ化直後の仔魚 (全長 約 5 mm





2014 4 14 日 (月)
ニジマスの採卵と人工受精
 





 下呂支所で今年 5 回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 同じ系統の同じ年齢のニジマスで、かつ同じ池で飼育してきたものであっても、成熟の時期には個体差 (最大で 1 ヶ月半ほど) が生じます。そのため、毎回、親魚の成熟度合いを確認して採卵可能な個体だけを選び出して採卵と人工受精を行うようにしています。




親魚の選別作業




1 個体ずつ触診して選別




雄親魚からの採精作業




雌親魚からの採卵作業




受精作業




卵管理水槽に受精卵を収容





2014 4 13 日 (日)
野外池の日除けシートの取り付け
 





 陽射しがきつくなる季節となり、本所の野外池に日除けシートを取り付けました。

 野外池は本所施設南側の非常に日当たりのよい場所に設置されています。昨年は日除けシートをつけずにいたら、写真のように池全面にアオミドロ等の糸状藻類が大繁殖し、藻類の除去に大変な労力がかかりました。














2014 4 11 日 (金)
桜満開
 





 下呂支所の桜が満開になりました。今年は、昨年よりも数日遅め、一昨年よりも 10 日ほど早めでした (関連記事 : 2012 年 4 月 20 日 ・2013 年 4 月 7 日)。











2014 4 10 日 (木)
タイヤ交換
 





 下呂支所で公用車のタイヤ交換を行いました。

 この時期でも特に標高の高いところは凍結する場合があるので、出張の行き先や日時を勘案してタイヤの交換時期を調整しています。








2014 4 9 日 (水)
巡回指導
 





 郡上市内の養殖業者への巡回指導を行いました。

 今回は 2 軒を訪問し、生産魚の流通状況や魚病の発生状況について聞き取りを行うとともに、昨秋に当研究所から出荷したアマゴの生育状況を確認しました。





2014 4 8 日 (火)
水槽の掃除
 





 下呂支所では、アマゴやヤマメなどの発眼卵は、検卵後にふ化室に収容してふ化させています (関連記事 : 2013 年 11 月 29 日・12 月 13 日)。

 昨年 11 ・12 月に収容したアマゴやヤマメは、現在、全長 3〜5 cm ほどに成長しています。稚魚は病気に弱いため、水が汚れると大量死を引き起こす恐れがあります。下呂支所では、水槽の底面やスクリーンの掃除をこまめに行っています。




アマゴの稚魚




排水部のスクリーンの掃除





2014 4 7 日 (月)
ニジマスの採卵と人工受精
 





 先月に引き続き、下呂支所で今年 4 回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 親魚の成熟度合いを確認しながら、来週も採卵と人工受精を行う予定です。







親魚の選別作業




1 個体ずつ触診して選別




雌親魚からの採卵作業









受精前の洗卵作業 (等張液で卵を洗浄)




卵管理水槽に受精卵を収容





2014 4 4 日 (金)
カジカがふ化
 





 下呂支所でカジカのふ化が続いています (関連記事 : 3 月 17 ・25 日)。

 カジカは、ふ化から 1 ヶ月半ほどの間は人工海水 (関連記事 : 2 月 21 日 ・3 月 14 日) で飼育し、餌としてアルテミアを与えています (関連記事 : 3 月 20 日)。




ふ化用の水槽 (淡水 かけ流し)




ふ化直後の仔魚




全長 約 5 mm




仔魚の移送




仔魚用の水槽 (人工海水 循環)




仔魚を入れる





2014 4 3 日 (木)
研究所の名称が変わりました
 




本所


 研究所の名称が平成 26 年 4 月 1 日に岐阜県河川環境研究所から 「岐阜県水産研究所」 に変わりました。

 引き続きご高配を賜りますよう、よろしくお願いします。




下呂支所




2014 4 2 日 (水)
幻日・環天頂アーク
 





 下呂市の空に見慣れない形の虹のようなものが出現しました。これらは、「幻日 (げんじつ)」 や 「環天頂 (かんてんちょう) アーク」 と呼ばれるもので、雨上がりに出現する虹とは別の大気光学現象だそうです。

 下呂支所では、幻日や環天頂アークのほか、内暈 (ないうん) や 外暈 (がいうん) と思われる現象も同時に観察されました。




幻日 (中央下寄り) と
内暈 (上下方向に伸びているもの)




環天頂アーク (上方) と
内暈 (中央下寄り)




内暈




環天頂アーク




環天頂アーク (右上方向へ伸びているもの) と
外暈 (環天頂アークから右下方向に分岐して
いるように見える薄紅色のもの)




2014 4 1 日 (火)
ポワソン ダブリル
 





 4 月 1 日は、日本ではエイプリルフールの日としてすっかり定着していますが、フランスでは 「Poisson d'avril (ポワソン ダブリル : “4 月の魚” の意)」 といって、由来は定かではないものの、魚をかたどったパイやチョコレートなどを食べるそうです (関連記事 : 2011 年 4 月 1 日 ・2013 年 4 月 1 日)。











記 事


養殖魚の魚病診断

サクラマスの
雌雄同体

ニジマスの
発眼卵の検卵作業

水田魚道に 「自動
計数装置」 を設置

放流用種苗育成
手法開発事業
計画検討会

ニジマスの発眼卵を
ふ化室に収容

飼育池の掃除

ニジマスの
発眼卵の検卵作業

花びら

ニジマスの
発眼卵の検卵作業

カジカがふ化

ニジマスの
採卵と人工受精

野外池の日除け
シートの取り付け

桜満開

タイヤ交換

巡回指導

水槽の掃除

ニジマスの
採卵と人工受精

カジカがふ化

研究所の名称が
変わりました

幻日・環天頂アーク

ポワソン ダブリル




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