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2012 年 7 月


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  2012 年 7 月 31 日 (火)


    河川環境楽園 夏休み特別企画
    「川の楽校 2012 〜身近な魚を調べてみよう〜」


                  





 各務原市の河川環境楽園で夏休み特別企画 「川の楽校 2012 〜身近な魚を調べてみよう〜」 が開催されました。

 今年は、木曽川水園自然発見館 ・岐阜県世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ ・当研究所が合同で開催ました。当研究所の職員は、公開実験を担当し、国土交通省水辺共生体験館で 「傾斜可変実験水路」 を使用してヨシノボリの定位能力を調べ、吸盤状になっている腹鰭の機能を視覚化して解説しました。


参考文献

岸 大弼.2007.底生魚の定位能力を観察する傾斜
 可変実験水路 (H18-FU型) について.岐阜県河川
 環境研究所研究報告,52: 27-30. < PDF >

岸 大弼.2009.底生魚の定位能力を観察する傾斜
 可変実験水路 (H20-MN型) について.岐阜県河川
 環境研究所研究報告,54: 19-21. < PDF >




魚類の採集






採集した魚類の解説




ヨシノボリの定位能力を調べる実験








  2012 年 7 月 30 日 (月)


    渓流で魚類調査

                  





 渓流で魚類調査を行いました。今日は、先週とは別の渓流で調査し、イワナ ・アマゴ ・アユ ・カジカ大卵型 ・ウグイ ・アブラハヤの生息を確認しました。

 採捕した 147 個体は、体サイズを測定した後、調査区間内に戻しました。来月は、別の渓流で調査を行う予定です。








  2012 年 7 月 27 日 (金)


    アジメドジョウの黄変個体

                  





 以前、木曽川水系で発見された体色異常のアジメドジョウです。全長 10 cmほどの成魚で、地元の漁業者の方から提供されたものです。




黄変個体 (上側) と 通常個体 (下側)


 体色異常には、黒色の色素をつくる能力を持たない個体 (アルビノや白化個体などと呼ばれる)、体表の全面または一部に黒い色素がないものの黒い色素をつくる能力は持っている個体 (白変種や黄変個体などと呼ばれる)、体表に銀色の色素がなく半透明に見える個体 (透明鱗などと呼ばれる) といった例があります。

 当研究所では、アルビノはアマゴ・アカザ・ドジョウ (関連記事 : 2009 年 9 月 2 日、2011 年 3 月 21 日 ・6 月 10 日) で、体表の一部に黒い色素がない黄変個体はアジメドジョウやイワナ (関連記事 : 2009 年 10 月 31 日 ・2011 年 6 月 14 日) で、透明鱗はアユ (関連記事 : 2012 年 7 月 2 日) でそれぞれ確認しています。今回のアジメドジョウは、体表は全面が黄色いものの、目には黒い色素がある (目が黒い) ことから、黄変個体と判断されました。

 アジメドジョウは、アルビノと黄変個体の両方の確認例があります (丹羽 1976)。こうした体色異常の個体が出現する理由は分かっていませんが、いずれも自然界では珍しいものです。


参考文献

丹羽 彌.1976.あじめ アジメドジョウの総合的研究.大衆書
 房,岐阜市.








  2012 年 7 月 26 日 (木)


    たんぼのまわりのいきもの調査

                  





 下呂市の萩原北児童館で小学生向けの生物教育企画 「たんぼのまわりのいきもの調査」 が開催されました。

 この企画では、水田の排水路で魚類や底生動物の採集を行いました。児童館に戻った後、当研究所の職員が公開実験 「ヨシノボリの不思議を研究しよう」 を行って、ヨシノボリの吸盤の機能について解説しました。また、東海タナゴ研究会の紙芝居では、ため池の池干しの重要性が紹介されました。




水路での生物採集




当研究所の職員による公開実験
「ヨシノボリの不思議を研究しよう」




東海タナゴ研究会の紙芝居 「いけほし」






  2012 年 7 月 24 日 (火)


    渓流で魚類調査

                  





 今日も渓流で魚類調査を行いました。今日は、昨日と同じ渓流の上流側 150 m の区間で調査を行い、イワナ ・アマゴ ・カジカ大卵型 ・アジメドジョウの生息を確認しました。

 採捕した 175 個体は、体サイズを測定または個体数を記録した後、調査区間内に戻しました。来週は、別の渓流で調査を行う予定です。






アマゴ






  2012 年 7 月 23 日 (月)


    渓流で魚類調査

                  





 渓流で魚類調査を行いました。今日は、先月 29 日と同じ渓流の上流側 90 m の区間で調査し、イワナ ・アマゴ ・カジカ大卵型 ・アジメドジョウの生息を確認しました。

 採捕した 92 個体は、個体数を記録した後、調査区間内に戻しました。








  2012 年 7 月 20 日 (金)


    小学生向け 自由研究テキスト 「水草の光合成実験」

                  





 小学生向けの自由研究テキスト 「水草の光合成実験」 は、川や水路で見られる水草を使用して、明るさと光合成の活性との関係について実験しながら学習する教材です。

 このテキストは、当研究所が平成21年度まで実施していた 「水生生物保全のための環境教育活動に関する研究」 の一環で作成した教材です (関連記事 : 2009 年 8 月 10 日)。夏休みの自由研究に活用できるよう、必要な道具 ・実験の手順 ・観察の方法 ・まとめ方の例などをテキストに一通り記載しています。

 水草や光合成に興味のある小学生向けの教材として、あるいは、夏休みに自由研究の題材をお探しのご家庭で、このテキストを役立てていただければ幸いです。



 テキスト 「水草の光合成実験」 ダウンロード → < PDF >

 両面印刷したものを左とじにすると冊子ができます。





こんな感じのテキストです






  2012 年 7 月 19 日 (木)


    モクレンの花が咲きました

                  





 下呂支所の敷地内にあるモクレンの木は、毎年 4 月頃に花を咲かせます。しかし、昨年は、どういうわけか7 月半ばになって また花が咲きました (関連記事 : 2011 年 7 月 18 日)。

 このモクレンは、今年も狂い咲き (?) しており、現在、季節外れの紫色の花が見頃を迎えています。








  2012 年 7 月 18 日 (水)


    水田で魚類調査

                  





 昨日に引き続き、下呂市内の水田で水路に流下する魚類の調査を行いました。

 この水田では、朝 5 時に止水板を外して排水を再開しました。現場には当研究所の職員が夜明けから待機し、排水部分に網を仕掛けて水田から流下する魚類を採捕しました。昨日と同様、炎天下で耐えながら 30 分ごとに網の回収 ・再設置を行いました。

 2 日間合わせて 11 時間半の調査で確認された魚類は、すべてドジョウでした。




日の出とともに調査開始




ドジョウ






  2012 年 7 月 17 日 (火)


    水田で魚類調査

                  





 下呂市内の水田で魚類調査を行いました。この水田では、水路から水田魚道を通って遡上する魚類の調査を 6 日から 9 日にかけて行いました (関連記事 : 7 月 6 日)。今回は、水路に流下する魚類を対象とし、水田の中干し作業に合わせて調査を行いました。

 この水田では、昼 12 時に止水板が外されて排水が始まりました。現場には当研究所の職員が待機し、排水部分に網を仕掛けて水田から流下する魚類を採捕しました。30 分ごとに網の回収 ・再設置を行い、炎天下でもめげずに夕方 5 時まで作業を繰り返しました。この後、止水板を設置して排水を一旦中断し、明日早朝に再開することにしました。




中干しが始まった水田 (左) と 排水路 (右端)
水田から排水路へ地中のパイプで排水中




水田からの排水部分に設置した網






  2012 年 7 月 16 日 (月)


    清流の国ぎふづくり県民大会

                  





 高山市の飛騨 ・世界生活文化センターで 「第 2 回 清流の国ぎふづくり県民大会」 が 15 日に開催されました。

 当研究所はパネルや水槽を出展し、研究内容や飛騨地方の川に生息する魚類について紹介しました。また、飛騨市のブースでは、カジカの試食会が開催されました。甘露煮やすずめ焼きが振る舞われ、好評を博しました。








  2012 年 7 月 14 日 (土)


    清流の国ぎふづくり県民大会の準備

                  





 高山市の飛騨 ・世界生活文化センターで明日に開催される 「第 2 回 清流の国ぎふづくり県民大会」 では、当研究所も出展を予定しています。

 今日は、会場に荷物を搬入し、パネルや水槽の準備を行いました。






  2012 年 7 月 13 日 (金)


    河川環境楽園 環境教育ネットワーク

                  





 各務原市の河川環境楽園内にある木曽川水園自然発見館で 「河川環境楽園 環境教育ネットワーク」 の会議が行われました。

 環境教育ネットワークでは、毎年夏休み期間中に小学生向けの自然教育企画を開催しています (関連記事 : 2009 年 8 月 12 日 ・2010 年 7 月 29 日 ・2011 年 8 月 3 日)。今年は、31 日に木曽川水園自然発見館や岐阜県世界淡水魚園水族館アクア ・トト ぎふと当研究所が合同で 「川の楽校 2012 〜身近な魚を調べてみよう〜」 の開催を予定しています。会議では、当日の時間配分や作業内容について最終確認を行いました。






  2012 年 7 月 12 日 (木)


    雨で川が増水

                  





 連日の雨で川が増水しています。

 下呂支所の横を流れる益田川 (飛騨川) も水位が高い状態が続いています。空梅雨では飼育池の用水が不足して困るのですが、増水が続くと魚類調査が予定通りに実施できなくなってしまいます。悩ましいところです。








  2012 年 7 月 11 日 (水)


    獣の足跡

                  





 調査中に川岸の砂場で見つけた獣の足跡です。

 蹄が 2 つなので偶蹄目に属する動物でしょう。調べてみると、岐阜県にいる野生の偶蹄目はニホンジカ (Cervus nippon)、ニホンカモシカ (Capricornis crispus)、イノシシ (Sus scrofa) の 3 種類でした。








  2012 年 7 月 10 日 (火)


    渓流魚人工産卵河川で魚類調査

                  





 2009 年 9 月に下呂市馬瀬で整備した 「渓流魚の人工産卵河川」 で魚類調査を行いました (関連記事 : 2009 年 9 月 26 日)。

 この人工産卵河川では、毎年調査を実施しており、今年はイワナ ・アマゴ ・タカハヤ ・カジカ大卵型の生息が確認されました (関連記事 : 2009年 7 月 1 日 ・2010 年 6 月 28 日 ・2011 年 7 月 21 日)。






 カジカ大卵型は、初回 2009 年の魚類調査では 1 個体も確認されませんでしたが、その後、馬瀬川本流から遡上したと考えられる成魚が確認されるようになり、2010 年は 2 個体、2011 年は 5 個体、今年は 14 個体と増加傾向にあります。ただし、昨年は稚魚 12 個体も同時に確認され、この人工産卵河川がイワナの自然繁殖 (関連記事 : 2009 年 11月 2 ・13 ・21 日) だけでなく、カジカ大卵型の自然繁殖にも寄与していることが示唆されましたが、今年は残念ながら稚魚は確認できませんでした。

 引き続き来年も魚類調査を行い、各魚種の生息状況を確認する予定です。





カジカ大卵型






  2012 年 7 月 9 日 (月)


    ザトウムシ

                  





 調査中に出会ったザトウムシ(座頭虫)です。

 節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目に属しており、クモに近い生物ではありますが、頭胸部と腹部が見た目ではっきり分かれているクモとは異なり、体が一体化しているように見えるため、はっきり違いがわかります。また、歩き方も、クモとはちがう感じです。いろいろな色・大きさのザトウムシに会いますが、ウィキペディアによれば世界で約 4000 種いるそうです。






  2012 年 7 月 6 日 (金)


    水田魚道で魚類調査

                  





 当研究所では、今年から農村振興課の令達事業として水田魚道に関する調査を県内各地で実施しています。

 下呂市内の水田に設置された魚道では、排水路から水田へと遡上する魚類の調査を 6 日から 9 日にかけて行いました。この水田魚道は、宇都宮大学などで検証 ・確立された技術を元に、下呂農林事務所が水田所有者のご協力を得て施工したものです (関連記事 : 2011 年 6 月 11 日)。

 遡上魚の調査は、魚道と水田との接続部分に小型の定置網を設置して行っています。6 日夕方から 7 日朝にかけてはドジョウ 18 個体のほかにアブラハヤ 1 個体が確認されましたが、7 日朝以降に確認されたのはすべてドジョウであり、この水田を利用する魚類はドジョウが主体と考えられました。




水田魚道




定置網








  2012 年 7 月 5 日 (木)


    クガビル

                  





 渓流での調査中、今まで見たことのない生物を発見しました。全長 30 cm に達する特大サイズのヒルです。






 バケツに入れて持ち帰って調べたところ、クガビルという陸生ヒルの 1 種 (Orobdella sp.) であることが分かりました。この個体はたまたま水際にいるところを発見したのですが、本来は陸上で生活している種です。

 クガビルは、ミミズを専門的に捕食するヒルで、吸血性ではなく人畜無害です。ただし、ネイビーブルーにオレンジという不調和な配色に、伸縮を繰り返したり自在に渦を巻いたりする落ち着きのなさが相まって、その気色悪さは群を抜くものがあります。

 採捕したクガビルは、写真撮影後に元の場所に逃がしました。













  2012 年 7 月 4 日 (水)


    農業用排水路で魚類調査

                  





 今日も農業用排水路で魚類調査を行いました。今日は下呂市内の 2 ヶ所で調査を行い、カワヨシノボリ ・オイカワ ・カワムツ ・ウグイ ・アブラハヤ ・ドジョウ ・アジメドジョウ ・アマゴ ・スナヤツメの生息を確認しました。

 採捕した計 62 個体は、体サイズを測定した後、調査区間内に戻しました。








  2012 年 7 月 3 日 (火)


    農業用排水路で魚類調査

                  





 本降りの雨の中、飛騨市内の農業用排水路で魚類調査を行いました。3 ヶ所で調査を行い、カワヨシノボリ ・アブラハヤ ・ウグイ ・モツゴ ・ドジョウ ・アカザ ・イワナ ・ニジマスの生息を確認しました。

 採捕した計 259 個体は、体サイズを測定した後、調査区間内に戻しました。






  2012 年 7 月 2 日 (月)


    アユの体色異常 (透明鱗)

                  






 
不思議な体色のアユが発見されました。アユなら本来あるはずの銀色の色素が体表になく、体内がうっすらと透けて見える不思議な個体です。これは全長 15 cm ほどの個体で、偶然出現した貴重な 1 個体を養殖業者の方に提供していただきました。

 金魚や観賞用メダカでは、こうした半透明の品種があり、“透明鱗” という通称で珍重されているそうです。ただし、アユでは今のところ透明鱗の報告はないようで、これが初めての確認事例と思われます。以前出現したアユのコバルト (関連記事 : 2009 年 12 月 6 日 ・2012 年 4 月 2 日) と同様、こうした体色異常の個体が出現する理由は分かっていませんが、いずれも珍しい事例です。












記 事


河川環境楽園
夏休み特別企画
「川の楽校 2011
〜身近な魚を
調べてみよう〜」

渓流で魚類調査

アジメドジョウの
黄変個体

たんぼのまわりの
いきもの調査

渓流で魚類調査

渓流で魚類調査

小学生向け
自由研究テキスト
「水草の光合成
実験」

モクレンの花が
咲きました

水田で魚類調査

水田で魚類調査

清流の国ぎふづくり
県民大会

清流の国ぎふづくり
県民大会の準備

河川環境楽園
環境教育
ネットワーク

雨で川が増水

獣の足跡

渓流魚
人工産卵河川で
魚類調査

ザトウムシ

水田魚道で魚類調査

クガビル

農業用排水路で
魚類調査

農業用排水路で
魚類調査

アユの体色異常
(透明鱗)




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せかぶ日誌  岐阜県河川環境研究所




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