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せかぶ日誌
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2012 年 4 月


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< 3 月  5 月 >



  2012 年 4 月 30 日 (月)


    アユの標識方法の現場指導

                  





 下呂市内の川で地元の市民団体によりアユの標識放流が行われました。

 当研究所の職員は、現場での作業に立ち会い、ヒレの切除による標識方法を指導しました。











  2012 年 4 月 28 日 (土)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 下呂支所で今年 8 回目のニジマスの採卵と人工受精を 25 日に行いました。

 3 月 5 日に開始した今年の採卵と人工受精は、これで終了しました。










  2012 年 4 月 27 日 (金)


    コイヘルペスウイルス(KHV)病に関する研修会

                  





 26 日、本所で農林事務所の担当職員を対象に、コイヘルペスウイルス (KHV) 病に関する研修会を実施しました。この研修では、KHV 病の概要や検体採取の注意点、ニゴイやフナ等のコイと見間違える恐れのある魚との見分け方について説明し、実際にコイを使用して検体採取を体験してもらいました。

 KHV 病は持続的養殖生産確保法で特定疾病に位置づけられており、まん延防止のために迅速な対応が求められます。そのため、県では、現地で検体採取を行うことになる職員向けに、毎年、この様な研修を開き、スムーズに検査に着手できるよう体制の整備に努めています (関連記事 : 2010 年 4 月 28 日 ・2011 年 4 月 28 日)。








  2012 年 4 月 26 日 (木)


    大陸からの物体X

                  





 今年も黄砂が飛んできました (関連記事 : 2011 年 5 月 3 日)。

 下呂支所周辺は、ヒノキ花粉 (関連記事 : 4 月 17 日) とのダブルパンチ状態です。






  2012 年 4 月 25 日 (水)


    アユの簡易判別技術講習会

                  





 昨年、アユの側線上方横列鱗数の計数マニュアルを当研究所のホームページで公開させていただいた後、成果報告会で判別事例をご紹介させていただいたところ、いくつかの漁協さんからご要望がございましたので、側線上方横列鱗数と下顎側線孔によるアユの簡易な個体判別技術の講習会を本所で開催したところ、漁業協同組合等から 15 名の方が参加されました。

 講習会では、側線上方横列鱗数と下顎側線孔によるアユの個体判別の精度に関する説明や、側線上方横列鱗数の計数マニュアルの解説を行いました (関連記事 : 2011 年 10 月 10 日)。また、実習では参加者の皆様に 2 人 1 組になっていただき、12 g 程のアユサンプルの側線上方横列鱗数の計数を体験していただきました。


 アユの側線上方横列鱗数の計数マニュアル <PDF>








  2012 年 4 月 24 日 (火)


    地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業
    計画検討会


                  





 「内水面漁業振興対策事業」 のうち 「地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業」 の計画検討会が 25 日に水産庁で開催されました。

 当研究所の職員は、今年度のアマゴ ・ヤマメの調査計画について発表し、(独) 水産総合研究センターや他県の研究機関の職員と意見交換を行いました。






  2012 年 4 月 23 日 (月)


    ニジマスの発眼卵の検卵作業

                  





検卵機による 死卵と生卵との分別作業



 下呂支所でニジマスの発眼卵 (はつがんらん) の検卵 (けんらん) 作業を実施中です。

 発生の最終段階の卵は、発現した眼球が透けて見えることから 「発眼卵」 と呼ばれます。卵は、受精後しばらく安静が必要ですが、発眼卵の段階になると外部からの衝撃に比較的強くなり、収容水槽から取り出すことができるので、検卵機により生卵と死卵とを分別する作業が可能になります。死卵を放置すると、水カビ発生の原因となるので取り除かなければなりません。ただし、検卵機による除去では、少数の死卵が残るため、残った死卵を目視観察と手作業で取り除く必要があります。

 これらの作業は 「検卵」 と呼ばれ、卵の出荷やふ化室への移送の前に必ず行っています。検卵が終了した発眼卵は、養殖業者への出荷や当研究所での継代飼育などに使用しています。




左 : 死卵、右 : 生卵




橙色で透明感があるのが 生卵 (右側)
白く変色しているのが 死卵 (左側)




残った死卵を 目視観察と手作業で除去






  2012 年 4 月 20 日 (金)


    桜満開

                  





 下呂支所の桜が見頃を迎えました。春本番です。






 淡水魚の中には、少数ながらも桜の名を冠したものがいます。その例には “さくらばえ (関連記事 : 2010 年 4 月 10 日)” や “さくらうぐい (関連記事 : 2011 年 4 月 18 日)” のほか、サクラマスが挙げられます。

 サクラマスとヤマメとは同じ種ですが、生活史が異なります。川で一生を過ごす個体がヤマメです。サクラマスは川から海へ回遊する個体のことで、その名称は桜が咲く時期に川を遡上することに由来するとされています。




サクラマス


 中部地方では、サクラマスは日本海側の水系に分布しています。現在は、岐阜県内の川では海から遡上するサクラマスを見ることはできませんが、ダムが建設される前の時代は、庄川水系や宮川 (神通川) 水系の上流部でもサクラマスが漁獲されていました。

 明治 6 年 (1873年) に編纂された 「斐太後風土記」 には、庄川では大野郡白川郷三尾河村 (現 高山市の荘川町三尾河)、宮川支流の川上川では同 川上郷有巣村 (現 清見町巣野俣)、高原川では吉城郡高原郷神坂村 (現 奥飛騨温泉郷神坂) 付近まで遡上したことが記されています。中でも吉城郡小鷹狩郷杉原村 (現 飛騨市宮川町杉原) で漁獲されたサクラマスは 「杉原鱒」 という名称で珍重されており、“國中皆杉原鱒と稱はやして、競て買求めむとせしこと、關東の初鰹に齊しかりき (≒飛騨の国中の人々が競って買い求めようとする杉原鱒は、関東でいう初ガツオのようなものだ)” と記述されていて、重要な水産資源であったことがうかがわれます。


参考文献

秋道智彌.1979.明治初期・飛騨地方における生産魚類の
 分布論的研究.国立民族学博物館研究報告,4 : 285-339.
蘆田伊人.2002.大日本地誌大系 斐太後風土記 第一巻
 (POD版).雄山閣,東京.
蘆田伊人.2002.大日本地誌大系 斐太後風土記 第二巻
 (POD版).雄山閣,東京.







  2012 年 4 月 19 日 (木)


    つくし

                  





 下呂支所の敷地内でつくしが顔を出しました。

 つくしは正確にはシダ植物門トクサ目トクサ科トクサ属に属するスギナ (Equisetum arvense) という植物の胞子体だそうです。愛くるしい春の日本の原風景です。






  2012 年 4 月 18 日 (水)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 下呂支所で今年 7 回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 親魚の成熟度合いを確認して、可能であれば、来週も採卵と人工受精を行う予定です。




雌親魚からの卵の採取




雄親魚からの精液の採取




受精作業






  2012 年 4 月 17 日 (火)


    ヒノキ花粉

                  





 ヒノキ花粉の一大放出です。

 16 日の下呂支所周辺は、東西の山からの花粉で霞んでいました。憎々しい春の日本の現状です。




東の山からバフッ




西の山からバフッ






  2012 年 4 月 16 日 (月)


    アジメドジョウが産卵

                  





 アジメドジョウは、冬期は礫中に潜って越冬します (関連記事 : 2009 年 12 月 25 日)。春に水温が 10 ℃になる頃、越冬場所の礫中で産卵すると考えられています。下呂支所で飼育しているアジメドジョウは、例年、水温の上がってくる 4 月に産卵が見られます。昨年は全く受精卵が得られませんでしたが、今年は産卵を確認することが出来ました。

 水槽に設置している人工産卵床は、産み出された卵が産卵床の外に流出する仕組みになっており、流出してきた卵は回収して別の水槽で管理します。

 アジメドジョウの卵は約 2 週間でふ化しますが、その間は毎日死んだ卵を取り除きます。ふ化後の仔魚の管理とあわせて約 1 ヶ月の間、毎日の世話が欠かせません。


参考文献

藤井亮吏 ・田口錠次.2012.アジメドジョウの人工産卵床と
 産卵水温.岐阜県河川環境研究所研究報告,57 : 15-21.
 < PDF >




サイフォンを使って 卵を 1 粒ずつ回収




回収した卵
この後、死卵の除去作業が毎日必要






  2012 年 4 月 13 日 (金)


    養殖魚の魚病診断

                  





 下呂支所に県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今週、診断の依頼があったのはイワナです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫 ・細菌 ・ウイルスの有無などを調べて死亡原因を明らかにし、養殖業者に対応策を指導しています。








  2012 年 4 月 12 日 (木)


    ウグイス

                  





 下呂支所では、桜はまだ開花していませんが、梅の花が見頃を迎えたほか、ウグイス (Cettia diphone cantans) の鳴き声が聞こえるようになって、ずいぶん春めいてきました。

 ウグイスは、鳴き声をよく聞くわりにはその姿を見かけることがなかなかないのですが、庁舎のすぐそばの植え込みで鳴いているところを運よく発見できました。ウグイスは、サギやササゴイなど (関連記事 : 2010 年 1 月 28 日 ・8 月 9 日、2012 年 3 月 1 日) と違って飼育魚を食害することはないし、アオゲラ (関連記事 : 2010 年 12 月 23 ・28 日) のように施設に穴を開けることもないので、職員に好かれている数少ない (?) 鳥の 1 種です。










  2012 年 4 月 11 日 (水)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 先週と同じく雨の中、下呂支所で今年 6 回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 親魚の成熟度合いを確認して、可能であれば、採卵と人工受精をあと 1 ・2 回行う予定です。






洗卵作業
(受精させる前に卵を等張液で洗浄)






  2012 年 4 月 10 日 (火)


    そこに生き物がいる理由

                  





 昨年から本所の屋外に置いてある実験用簡易プールを掃除したところ、不均翅亜目のトンボ幼虫 (たぶん、シオカラトンボ、コシアキトンボ、アカネ属) が多数、捕獲されました。このプールは、トンボの産卵やヤゴの生育に適した環境を整備していた訳ではありません。親トンボがどこからか飛んできて産卵していったと思われます。子孫を残そうとするトンボのたくましい生命力に感動しました。

 ある場所にこれらの生き物がいるかどうかは何によって決まっているのでしょうか?もちろん、その生き物にとって、その環境が好適なのかどうかが重要です。それに加え、好適な場所に生き物が自らの力で移り棲むことができるかどうかも非常に重要です。今回のように、実験用簡易プールにトンボ幼虫が移り棲むことは、当研究所の周辺にトンボに好適な生息環境があることを示してしています。生き物の生息場所として機能するかどうかは、その場の環境条件ばかりでなく、周辺環境から生き物が移動分散できるかどうかも重要です。








  2012 年 4 月 9 日 (月)


    渓流釣り解禁

                  





 3 月に入り県下全域でアマゴ ・ヤマメ ・イワナを対象とする渓流釣りが可能となりました。

 今年は水温も低く、まだまだ成魚放流主体のようですが、暖かくなれば、野生魚も動き始めるでしょう。






  2012 年 4 月 6 日 (金)


    アユカケがふ化

                  





 下呂支所の飼育施設でアユカケがふ化しました (関連記事 : 3 月 22 日)。

 アユカケもカジカと同様、ふ化後しばらくの間は人工海水 (関連記事 : 2 月 13 ・29 日) の中で飼育し、餌としてアルテミアを与えています (関連記事 : 2 月 24 日)。










  2012 年 4 月 5 日 (木)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 雨の中、下呂支所で今年 5 回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 同じ系統の魚で、かつ同じ池で飼育してきた魚であっても、成熟の時期には個体差 (最大で 1 ヶ月半ほど) があります。そのため、毎週、親魚の成熟度合いを確認して採卵可能な個体だけを選び出し、採卵と人工受精を行っています。




親魚の選別作業




1 個体ずつ触診して、採卵可能な個体を選び出す






  2012 年 4 月 4 日 (水)


    飼育魚の移動

                  





 下呂支所では、屋外の飼育池でアマゴやニジマスなどを飼育しています。魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやすくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるか、いくつかの池に分けて飼育するようにしています。

 今週の作業では、G 号池の FRP (強化プラスチック) 水槽で飼育していたイワナを A 号池に移し替えました。






計数しながら 魚を飼育池に入れる
(左手にカウンターを持っている)






  2012 年 4 月 3 日 (火)


    春の大嵐

                  





 日本に台風並みの低気圧がやってきました。

 下呂支所も 15 時頃から猛烈な風雨に見舞われました。隣を流れる益田川 (飛騨川) が急激に増水し、水門の点検や飼育池のごみ取りスクリーンの掃除など、職員が深夜まで対応に追われました。






水門の点検




飼育池のスクリーンの掃除






  2012 年 4 月 2 日 (月)


    アユの体色異常 (コバルト)

                  





 2008 年の秋に本所の飼育施設でふ化したアユの中にコバルトが出現しました (関連記事 : 2009 年 12 月 6 日)。その後もごく少数ながらアユのコバルトが発見されており、現在、2009 年および 2010 年生まれの各 1 個体を本所の見学通路の水槽で展示中です。

 「コバルト」 とは、体が青色 (コバルト色) を呈した個体のことで、ニジマスではその存在がよく知られており、脳下垂体が欠損した個体に現れる特徴のひとつといわれています (関連記事 : 3 月 20 日)。ニジマスの場合には、各地の養魚場でときどき見つかっていますが、アユでは、1984 年に東京都水産試験場奥多摩分場 (当時) で発見された個体など、ごく少数しか報告がありません。本所の飼育施設で発見されたアユのコバルトは、まれな例と思われます。

 通常、アユの寿命は 1 年であり、秋の産卵後に一生を終えます。しかし、本所で展示中のコバルトはふ化して 2 年目および 3 年目の現在も生存しています。本所にお越しの際は、ぜひご覧ください。




本所の見学通路で展示中


 本所の見学通路は、平日 9 時から 17 時まで見学可能です。一般の見学者は、予約は不要ですが、来所時に事務所の受付窓口へお越しください。団体で来所される場合や、当研究所の職員による解説を希望される場合には、事前にご連絡ください。

 なお、調査や飼育管理の都合上、ご要望にお応えできない場合があります。あらかじめご了承ください。








記 事


アユの標識方法の
現場指導

ニジマスの
採卵と人工受精

コイヘルペス
ウイルス(KHV)病に
関する研修会

大陸からの物体X

アユの簡易判別
技術講習会

地域の状況を
踏まえた効果的な
増殖手法開発事業
計画検討会

ニジマスの
発眼卵の検卵作業

桜満開

つくし

ニジマスの
採卵と人工受精

ヒノキ花粉

アジメドジョウが
産卵

養殖魚の魚病診断

ウグイス

ニジマスの
採卵と人工受精

そこに生き物が
いる理由

渓流釣り解禁

アユカケがふ化

ニジマスの
採卵と人工受精

飼育魚の移動

春の大嵐

アユの体色異常
(コバルト)




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