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せかぶ日誌
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2011 年 2 月


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  2011 年 2 月 28 日 (月)


    ニジマスの採卵の準備

                  






 下呂支所では、春に成熟する系統のニジマスを飼育しています (関連記事 : 2010 年 3 月 10 ・17 ・24 ・30 日、4 月 7 ・14 日)。

 今年も採卵の時期が近づいてきたため、器材や水槽の準備を始めました。来週以降、成熟した親魚から順に採卵を実施する予定です。




親魚を一時的に収容する水槽の準備




冬の間に張った氷を割って除去








  2011 年 2 月 25 日 (金)


    水路の補修作業

                  





 下呂支所では、魚の飼育には井戸水と河川水を使用しています。ただし、井戸の水量に限界があるため、大部分の魚の飼育には河川水を使用しています。

 河川水は、飛騨川 (益田川) から水路を使って導入しています。この水路では、草の除去 (関連記事 : 2 月 23 日) や補修などの維持管理を行っています。








  2011 年 2 月 24 日 (木)


    研究成果発表会 (下呂会場)

                  





 平成 22 年度の研究成果発表会を下呂市萩原町で開催しました。

 22 日の発表会と同様、第 1 セッション 「水産資源の有効活用とブランド化をめざして」 および第 2 セッション 「健全な水域環境と生態系の保全をめざして」 の計 7 課題を発表し、98 名の方々に出席していただきました。ありがとうございました。








  2011 年 2 月 23 日 (水)


    水路の掃除

                  





 下呂支所では、魚の飼育には井戸水と河川水を使用しています。ただし、井戸の水量に限界があるため、大部分の魚の飼育には河川水を使用しています。

 河川水は、飛騨川 (益田川) から水路を使って導入しており、草や枯れ葉のほか空き缶などのごみも流れてくるため、昼夜を問わず、配水池にあるごみ取り用のスクリーンの掃除を行っています (関連記事 : 2010 年 6 月 14 日 ・12 月 24 日)。また、通水性を維持するため、水路の側面に生えた草の除去作業を行っています。













  2011 年 2 月 22 日 (火)


    研究成果発表会 (各務原会場)

                  





 平成 22 年度の研究成果発表会を各務原市で開催しました。

 今回の発表会は、「人と魚が共存する豊かな水域環境の創出と水産業の振興」 をメインテーマとして、第 1 セッション 「水産資源の有効活用とブランド化をめざして」 および第 2 セッション 「健全な水域環境と生態系の保全をめざして」 の計 7 課題を発表しました。当日は、93 名の方々に出席していただきました。ありがとうございました。








  2011 年 2 月 21 日 (月)


    カジカがふ化

                  





 下呂支所のふ化水槽に収容したカジカの発眼卵 (関連記事 : 2 月 2 ・8 日) から仔魚がふ化しています。

 検卵後の発眼卵は、ふ化水槽に吊したザルに収容していました。ふ化した仔魚は、このザルの網目を抜けて水槽内を泳ぎ回っています。この後、ここから回収した仔魚を仔稚魚飼育水槽に移し、人工海水 (関連記事 : 2 月 10 日) の中で 1 ヶ月半程度飼育します。









  2011 年 2 月 18 日 (金)


    全国湖沼河川養殖研究会 アユ資源研究部会

                  





 「全国湖沼河川養殖研究会 アユ資源研究部会」 が 15 ・16 日に東京都港区の南青山会館で開催されました。

 この研究部会は、全国の 26 県の試験研究機関で構成されている研究会で、約 30 年の歴史があります。アユの資源に関する研究やアユ種苗の特性に関する研究、アユの生息環境についての研究発表や意見交換が行われました。当研究所の職員は、アユの不良漁場におけるアユの生息に及ぼす環境要因について発表しました。






  2011 年 2 月 17 日 (木)


    渓流資源増大技術開発事業 年度末報告会

                  





 「内水面漁業振興対策事業」 のうち 「渓流資源増大技術開発事業」 の年度末報告会が水産庁で開催されました。

 事業参加機関から 1 年間の試験研究成果について発表があり、活発な質疑が行われました。









  2011 年 2 月 16 日 (水)


    地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業
    年度末報告会

                  





 「内水面漁業振興対策事業」 のうち 「地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業」 の年度末報告会が水産庁で開催されました。

 当研究所の職員は、渓流魚の稚魚放流や発眼卵埋設について発表し、(独) 水産総合研究センターや他県の研究機関の職員と意見交換を行いました。









  2011 年 2 月 15 日 (火)


    カジカ商品開発検討委員会

                  





 「第 3 回カジカ商品開発検討委員会」 を開催しました。

 第 2 回の委員会 (関連記事 : 2010 年 10 月 25 日) で検討し作品や新しく追加した商品を店舗で試験提供してアンケート調査を行った結果を報告しました。アンケート調査の結果や現在のカジカ養殖の状況などから、今後の展開について検討を行いました。






  2011 年 2 月 14 日 (月)


    養殖魚の魚病診断

                  





 下呂支所に県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回、診断の依頼があったのはニジマスです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫 ・細菌 ・ウイルスの有無などを調べて死亡原因を明らかにし、養殖業者に対応策を指導しています。






  2011 年 2 月 11 日 (金)


    パーマークについて その1

                  



 アマゴは非常に美しい魚です。その美しさを際立たせているもののひとつが青黒い小判模様の 「パーマーク (parr mark)」 であることに異論を唱える方はいないでしょう (写真1)。




写真 1 アマゴのパーマーク


 このパーマークはカラフトマスを除くサケ科魚類に共通の模様であり、イワナやニジマスにもあります (写真 2, 3)。その形は、種間はもちろん種内でも変異にとんでいます。




写真 2 イワナのパーマーク




写真 3 ニジマスのパーマーク


 パーマークの語源は、大西洋サケ (Salmo salar) の稚魚から幼魚期の魚を 「パー (parr)」 と呼び、それに特徴的な模様であることからきているようです (決してアホの印ではありません)。

 このパーマークはアマゴとヤマメでは成魚でも見られますが、サケ科魚類稚魚の特徴であり、普通は成長と共に消失するためイワナやニジマスの成魚ではほとんど見ることができません (写真 4, 5)。




写真 4 イワナ成魚
(パーマークはほとんど分からない)




写真 5 ニジマス成魚
(イワナと同じくパーマークは不鮮明)


 むしろ成魚でも見られるアマゴ (写真 6) やヤマメの方が少数派です。




写真 6 アマゴ成魚はパーマークが明瞭


 また、アマゴ ・ヤマメも降海型 (サツキマス ・サクラマス) ではみられませんし、降海型でなくとも大きく成長した個体はかなり不鮮明になります。

 パーマークはアマゴ ・ヤマメであることのよい記号であることからルアーのカラーでもよく使われ、トラウトルアーの世界ではヤマメカラーとして定番化しています。




写真 7 アマゴカラーのルアー


 写真 7 は、ちょっと珍しいアマゴカラーのルアーです。赤い点をつけるのが手間だからか、トラウトルアーのメイン地域である関東から北海道にかけてはヤマメしか生息せず、アマゴカラーの需要がないためかヤマメカラーほどメジャーではありません。


参考文献

吉安克彦.1981.跳ねる巨魚・大西洋サケ −絶滅にひんする
 Salmo salar Linnaeus の紹介.淡水魚,7: 96-105.






  2011 年 2 月 10 日 (木)


    人工海水の準備

                  





人工海水の素 (1 袋 18 kg くらい) を運ぶ


 下呂支所では、先月からカジカの検卵が続いており、初期の卵はそろそろふ化の時期を迎えます (関連記事 : 2 月 2 ・8日)。ふ化に備えて、人工海水の準備が始まりました。

 カジカの仔稚魚は、ふ化直後から海水で飼育します。内陸部にある当研究所では海水を採取することができないので、カジカの仔稚魚の飼育には人工海水を用いています。人工海水は、食塩 ・にがり ・重曹などの主要な成分を調合して自作する場合と、市販の人工海水の素を水に溶かして作る場合とがあります。今回は、市販の人工海水の素を水に溶かして作りました。作った人工海水は 100 % の濃度 (海の水と同じ塩分濃度) で、必要に応じて薄めて使っています。




人工海水の素を投入




水に溶かす






  2011 年 2 月 9 日 (水)


    飼育魚の移動

                  





 下呂支所では、屋外の飼育池でアマゴやニジマスなどを飼育しています。

 魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやすくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるか、いくつかの池に分けて飼育するようにしています。今日の作業では、アマゴの移し替えを行いました。








  2011 年 2 月 8 日 (火)


    カジカの発眼卵の検卵作業

                  





 下呂支所でカジカの発眼卵の検卵作業を実施しています (関連記事 : 2 月 3 日)。

 検卵が終わった発眼卵は、ふ化用の水槽に順次収容しています。





直径 約 2 mm 、重量 約 0.007 g




1 粒ずつ死卵や水カビを除去






  2011 年 2 月 7 日 (月)


    魚類の培養細胞 その1

                  





 魚類に限らず、生物の細胞は、条件さえ整えば試験管内で培養が可能です。当研究所では、魚類の培養細胞を魚類ウイルス病の研究や検査に用いています。

 培養細胞 (下の写真 : RTG-2 細胞) は、通常は培養フラスコ (上の写真) の底面に付着して、2 分裂しながら増殖していくので、底面が培養細胞でいっぱいになると増殖を止め、培養液の交換をしないと、いずれ死滅します。そのため、通常 2 〜 4 週間に 1 度、培養液をピペットで吹き付けるなどして培養細胞を培養フラスコ底面から剥がし、培養フラスコに播種する培養細胞数を 1/2 〜 1/3 に減らし、培養液も新しいものとすることで、死なないように維持しています (これら一連の操作を 「継代 (けいだい)」 と呼ぶ)。

 これらの作業は、クリーンベンチ内での無菌操作となります (関連記事 : 2010 年 11 月 25 日)。無菌操作というと、難しい作業のように思われるかもしれませんが、基本さえ押さえれば難しくありません。が、油断すると雑菌等が混入して検査や実験がふいになることもたまにあります。








  2011 年 2 月 4 日 (金)


    秋篠宮殿下お成り

                  





 平成 23 年 2 月 4 日、秋篠宮殿下が地方事情御視察の一環として本所を訪問されました。

 当日は、当研究所で行っているアユやカジカなどの増 ・養殖研究、ウシモツゴの保全に関する研究、魚病診断、地球温暖化が魚類に及ぼす影響の研究などについてご説明しました (写真はリハーサル時のもの)。








  2011 年 2 月 3 日 (木)


    カジカの発眼卵の検卵作業

                  





 下呂支所でカジカの発眼卵の検卵作業を実施中です。

 発眼期を迎えた卵 (関連記事 : 1 月19 ・24 日) を水槽から取り出し、死卵や水カビの除去作業 (検卵作業) を行いました。この後、ふ化用の水槽に移してふ化を待ちます。




1 粒ずつ死卵や水カビを除去




ふ化用の水槽








  2011 年 2 月 2 日 (水)


    養殖魚の魚病診断

                  





 県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回、診断の依頼があったのはニジマスです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫 ・細菌 ・ウイルスの有無などを調べて死亡原因を明らかにし、養殖業者に対応策を指導しています。






  2011 年 2 月 1 日 (火)


    キツツキ その後

                  






 
昨年末、下呂支所にアオゲラがたびたび飛来して、検卵室の外壁に穴を開けてしまいました (関連記事 : 2010 年 12 月 23 ・28 日)。

 使い終わった CD を試しに軒下に吊り下げてみたところ、アオゲラは観察されなくなり、それ以上の被害は出ていません。今のところ、効果が持続しているようです。










記 事


ニジマスの
採卵の準備

水路の補修作業

研究成果発表会
(下呂会場)

水路の掃除

研究成果発表会
(各務原会場)

カジカがふ化

全国湖沼河川
養殖研究会
アユ資源研究部会

渓流資源増大技術
開発事業
年度末報告会

地域の状況を
踏まえた効果的な
増殖手法開発事業
年度末報告会

カジカ商品開発
検討委員会

養殖魚の魚病診断

パーマークについて
その1

人工海水の準備

飼育魚の移動

カジカの発眼卵の
検卵作業

魚類の培養細胞
その1

秋篠宮殿下お成り

カジカの発眼卵の
検卵作業

養殖魚の魚病診断

キツツキ その後




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