トップページ



せかぶ日誌
バックナンバー





2010 年 11 月

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

< 10 月  12 月 >



  2010 年 11 月 30 日 (火)


    アマゴの発眼卵の展示

                  





 下呂支所でアマゴの発眼卵の展示を始めました。

 自然界では、アマゴ ・ヤマメ ・イワナなどサケ科魚類の雌の親魚は、秋に川底を掘って産卵し砂利で埋めます。冬に砂利の中で孵化した仔魚は、すぐには川の中には出てきません。仔魚は、腹部の卵黄を吸収しながら、砂利の中で春までじっと過ごします。そのため、野外で卵や仔魚を見かける機会はほとんどありません。

 下呂支所では、毎年秋にアマゴなどの採卵と人工受精を行っており、今回はその一部の卵を観察用に展示しています。この先の水温変化によって前後しますが、今のところ 12 月上旬に孵化する見込みです。下呂支所にお越しの際は、是非ご覧ください。




アマゴの発眼卵


 下呂支所の施設見学は、平日 9 時から 16 時の間でお受けしています (要予約)。見学を希望される方は、事前にご連絡ください。

 なお、調査や飼育管理の都合上、ご要望にお応えできない場合があります。あらかじめご了承ください。






  2010 年 11 月 29 日 (月)


    飼育魚の移送

                  





 下呂支所では、屋外の飼育池でアマゴやヤマメなどを飼育しています。

 魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるようにしています。今日の作業では、B 号池で飼育していたアマゴをより大型の C 号池に移し替えました。




カウンター (左手に持っている) で
計数しながら、新しい池に魚を入れる






  2010 年 11 月 26 日 (金)


    地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業
    中間検討会

                  





 25 ・26 日に栃木県宇都宮市で 「地域の状況を踏まえた効果的な増殖手法開発事業」 の中間検討会が開催されました。

 初日は、事業に参加している各研究機関の中間報告があり、当研究所の職員は現在実施中のアマゴ ・ヤマメの調査の途中経過を報告しました。2 日目は (独) 水産総合研究センター中央水産研究所の調査河川を視察しました。




(独) 水産総合研究センター
中央水産研究所の調査河川の視察








  2010 年 11 月 25 日 (木)


    シリーズ 河川研の備品紹介 1
    〜 クリーンベンチ 〜


                  





 「シリーズ 河川研の備品紹介」 と称して、これから何回かにわたって当研究所で使用している備品を紹介したいと思います。記念すべき第 1 回は、本所 ・下呂支所ともに設置されている 「クリーンベンチ」 です。

 培養細胞や魚類病原体を扱うときには、サンプルへの雑菌などの混入を防ぐ必要があります。クリーンベンチは、空気中を浮遊している雑菌などの混入を防ぐ 「無菌操作」 を行うための装置です。

 クリーンベンチ内はフィルターを通したきれいな空気が一定方向に流れており、外部の雑菌の侵入を防いでいます。また、実験者の手や腕についている雑菌の侵入を防ぐため、作業前にアルコール消毒を行うようにしています。




作業前にアルコール消毒






  2010 年 11 月 23 日 (火)


    アユの赤ちゃんの展示

                  





 アユは、秋に川で産卵します。生まれた仔魚は川を下り、冬の間は海 (沿岸域) で生育します。海で成長した稚アユは春に川へと遡上してきます。そのため、一般の人がアユの赤ちゃんを見かける機会はほとんどありません。しかし、当研究所では人工ふ化によりアユを生産しているため、本来、海にいる時期のアユを間近に見ることができます。

 アユの赤ちゃんは、成魚のアユとは異なる形をしています。本所の見学通路では、そうした形態の違いを知っていただくために、アユの赤ちゃんを展示しています。アユの赤ちゃんは光に敏感なので、普段は電気が消してありますが、観察用の投光装置と拡大鏡を用意しています。本所にお越しの際は、是非ご覧ください。






 本所の見学通路は、平日 9 時から 17 時まで見学可能です。一般の見学者は、予約は不要ですが、来所時に事務所の受付窓口へお越しください。団体で来所される場合や、当研究所の職員による解説を希望される場合には、事前にご連絡ください。

 なお、調査や飼育管理の都合上、ご要望にお応えできない場合があります。あらかじめご了承ください。






  2010 年 11 月 22 日 (月)


    岐阜県高等学校教育研究会 生物部会
    恵那地区研修会


                  





 下呂支所において、「岐阜県高等学校教育研究会生物部会 恵那地区研修会」 が開催されました。

 この研修会には、恵那地区の高等学校の生物の教諭 9 名が参加されました。当研究所の研究内容全般の説明後、職員 2 名が研究成果の講演を行いました。その後、カジカ飼育施設の見学を行い、先生方からは熱心な質問がありました。








  2010 年 11 月 20 日 (土)


    消防避難訓練

                  





 下呂支所は、岐阜県下呂総合庁舎と同じ敷地内にあるため、消防避難訓練は合同で実施しています。17 日の訓練では、消火器の操作訓練や避難誘導訓練等を行いました。






  2010 年 11 月 18 日 (木)


    アマゴやヤマメの発眼卵の検卵作業

                  



 下呂支所でアマゴやヤマメの発眼卵の検卵作業を連日実施しています。

 検卵が終わった発眼卵は、養殖業者への出荷あるいは孵化室への移送を順次行っています (関連記事 : 11 月 12 日)。





卵収容水槽から発眼卵を取り出す
(ざるの中の橙色のものが生卵、
白っぽく変色したものが死卵)




発眼卵を検卵機に入れて、生卵と死卵とを分別




残った死卵を 目視観察と手作業により除去






  2010 年 11 月 17 日 (水)


    ヤマメの採卵と人工受精

                  





 下呂支所でヤマメの採卵と人工受精を実施しました。

 今日の作業では、ヤマメ 1 系統の採卵と人工受精を行いました。今シーズンのアマゴ ・ヤマメ ・イワナの採卵と人工受精は、今日の作業で終了しました。




雄の親魚から 1 個体ずつ精液を採取




受精作業




受精卵を卵収容水槽に入れる






  2010 年 11 月 16 日 (火)


    渓流資源増大技術開発事業 中間検討会

                  





 15 ・16 日に山梨県北杜市で 「渓流資源増大技術開発事業」 の中間検討会が開催されました。

 初日は、山梨県水産技術センターの研究フィールドである小武川 (韮崎市) の渓流魚の人工産卵河川を視察しました。2 日目は事業に参加している各研究機関の中間報告があり、活発な質疑応答が行われました。




渓流魚の人工産卵河川




産卵床 (赤い目印を置いた場所)






  2010 年 11 月 15 日 (月)


    アマゴ・ヤマメの里親教室

                  





 岐阜県漁業協同組合連合会により、県内の小学校を対象とした 「アマゴ ・ヤマメ里親教室」 が毎年実施されています。

 この事業は、アマゴやヤマメの孵化の観察や稚魚の飼育を通じて地域の自然の大切さを学ぶことを目的として行われており、下呂支所で生産した発眼卵を今年は 27 校に提供しました。無事に育つことを願っています。






  2010 年 11 月 13 日 (度)


    河川環境楽園内 研究協議会

                  





 12 日に国土交通省 水辺共生体験館で 「河川環境楽園内 研究協議会」 が開催されました。

 協議会では、当研究所をはじめ、岐阜県世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふ、(独) 土木研究所 自然共生研究センターの職員が、研究テーマや活動内容を持ち寄って発表し、アドバイスをし合ったり、お互いの理解を深めたりしました。








  2010 年 11 月 12 日 (金)


    アマゴやヤマメの発眼卵の移送

                  



 アマゴやヤマメなどの発眼卵は、検卵 (関連記事 : 11 月 8 日) が完了したものから孵化室に順次移送しています。

 孵化室では、まず 「孵化盆 (ふかぼん)」 と呼ばれる枠付きの金網に発眼卵を小分けして入れます。孵化盆は、いくつか重ねた状態で上下を針金で固定し、孵化水槽の中に設置します。孵化水槽では、井戸水 (関連記事 : 10 月 16 日) を流して孵化盆の中で発眼卵を孵化させた後、仔魚期の終わりまで収容します。




孵化盆に発眼卵を小分けして入れる




発眼卵を入れた孵化盆を重ねて
針金を巻いて上下を固定




孵化水槽に入れる




孵化盆と水槽との隙間を縄で埋める




ふたをして完了
井戸水を流しながら、仔魚期の終わりまで収容






  2010 年 11 月 11 日 (木)


    ため池で魚類調査

                  





 下呂農林事務所によりため池の生物の調査が行われました。

 地元の市民や当研究所の職員が生物の採集に協力し、アブラハヤ ・タカハヤ ・ カワムツ・ニゴイ ・コイ ・カワヨシノボリ ・シマドジョウのほか、ミズカマキリ ・マツモムシなどの水生昆虫を確認しました。








  2010 年 11 月 10 日 (水)


    アマゴやヤマメの発眼卵の検卵作業

                  





アマゴの発眼卵

発生の最終段階の卵は、発現した眼球が
透けて見えることから 「発眼卵」 と呼ばれる



 先週から下呂支所でアマゴやヤマメの発眼卵 (はつがんらん) の検卵 (けんらん) 作業を実施中です。

 発生の最終段階の卵は、発現した眼球が透けて見えることから 「発眼卵」 と呼ばれます。卵は、受精後しばらく安静が必要ですが、発眼卵の段階になると外部からの衝撃に比較的強くなり、収容水槽から取り出すことができるので、検卵機により生卵 (せいらん) と死卵 (しらん) とを分別する作業が可能になります。死卵を放置すると、水カビ発生の原因となるので取り除かなければなりません。ただし、検卵機による除去では、少数の死卵が残るため、残った死卵を目視観察と手作業により取り除くことが必要です (関連記事 : 2009 年 11 月 11 ・17 日、2010 年 4 月 23 日)。

 これらの作業は 「検卵」 と呼ばれ、卵の出荷や孵化室への移送の前に必ず行っています。検卵が終了した発眼卵は、養殖業者への出荷や当研究所での飼育試験などに使用しています。




検卵機による 生卵 (右側のざる) と
死卵 (手前側のざる) との分別作業




橙色で透明感があるのが生卵
白く変色しているのが死卵




目視観察と手作業による検卵作業






  2010 年 11 月 9 日 (火)


    ヤマメやイワナの採卵と人工受精

                  





 下呂支所でヤマメやイワナの採卵と人工受精を実施しました。

 今日の作業では、ヤマメ 2 系統とイワナ 1 系統の採卵と人工受精をそれぞれ行いました。ヤマメについてはあと 1 回、採卵と人工受精を実施する予定です。




受精卵を卵収容水槽に入れる






  2010 年 11 月 8 日 (月)


    アオバト

                  





 「ドン!」 下呂支所の工作室で作業中、ドアの外で大きい音がしました。

 なにがあったのかと思ってドアを開くと 巨大なウグイスみたいな鳥がうずくまっていました。建物上部に明かり取りのガラスが付いているのですが、どうもガラスに写り込んだ空に勘違いして突っ込んできたようです。

 激しくぶつかったようで捕まえても逃げようともしません。調べてみるとアオバトTreron sieboldii という鳥のようです。留鳥ですが、見るのは初めてでした。幸い小一時間で回復し飛んでいきました。ドジなヤツですが、うっかりミスが多い自分はこのアオバトになんとなくシンパシーを感じてしまいました。








  2010 年 11 月 5 日 (金)


    岐阜の宝もの “小坂の滝めぐり” ガイド養成講座

                  





 小坂町商工会の 「岐阜の宝もの “小坂の滝めぐり” ガイド養成講座」 が下呂市小坂町で開催されました。

 当研究所の職員は、渓流魚の基礎知識や森と川のつながりについてスライドで解説しました。






  2011 年 11 月 4 日 (木)


    孵化室の消毒作業

                  





 下呂支所でふ化室の消毒作業を行いました。

 孵化室は、検卵が完了したアマゴやヤマメなどの発眼卵を収容して孵化させ、稚魚の餌付けを行う施設です。稚魚の病気を予防するため、毎年この時期になると、発眼卵の収容前に施設内の清掃や消毒を行っています。




アルコールを吹きかけて、水槽などの器材を消毒






  2010 年 11 月 3 日 (水)


    ヒキガエル

                  





 前にカエルの話をしました (関連記事 : 2010 年 8 月 5 日 ・9 月 20 日)。先日、渓流での調査中にヒキガエルに出会いました。水中にいたことと、鼓膜が不明瞭だったことから、ナガレヒキガエル Bufo torrenticora ではないかと思われます。

 本種は渓流性のカエルで産卵も渓流で行うそうです。調査中に出くわすことは少なくないのですが、今までなぜか写真を撮っていませんでした。写真はこちらをにらみつけているみたいです。相当ご機嫌ナナメだったようです (当たり前か …)。








  2010 年 11 月 2 日 (火)


    魚類放流体験学習会

                  





 高山市上宝町の本郷小学校において、岐阜県漁業協同組合連合会により 「魚類放流体験学習会」 が開催されました。

 本郷小学校の 5 年生 11 人が蒲田川でヤマメ 200 尾を放流しました。はじめは慣れない手付きで恐る恐るヤマメをつかんでいた児童達でしたが、つかみ方を教えるとすぐに覚え、放流しました。その後小学校の会議室で当研究所の職員がヤマメについての講演を行い、児童達から活発な質問がありました。








  2010 年 11 月 1 日 (月)


    アマゴやヤマメの採卵と人工受精

                  






 下呂支所でアマゴやヤマメの採卵と人工受精を実施しました。

 今日の作業では、アマゴ 2 系統とヤマメ 2 系統の採卵と人工受精をそれぞれ行いました。各系統の親魚の残存数や成熟度合いを調べて、可能であればあと 1 ・2 回、採卵と人工受精を行う予定です。




親魚の選別作業 (成熟が完了した個体を
選び出して、採卵と人工受精に使用する)








記 事


アマゴの
発眼卵の展示

飼育魚の移送

地域の状況を
踏まえた効果的な
増殖手法開発事業
中間検討会

シリーズ
河川研の備品紹介 1
〜クリーンベンチ〜

アユの
赤ちゃんの展示

岐阜県高等学校
教育研究会
生物部会
恵那地区研修会

消防避難訓練

アマゴやヤマメの
発眼卵の検卵作業

ヤマメの
採卵と人工受精

渓流資源増大
技術開発事業
中間検討会

アマゴ ・ヤマメの
里親教室

河川環境楽園内
研究協議会

アマゴやヤマメの
発眼卵の移送

ため池で魚類調査

アマゴやヤマメの
発眼卵の検卵作業

ヤマメやイワナの
採卵と人工受精

アオバト

アマゴやヤマメの
発眼卵の検卵作業

岐阜の宝もの
“小坂の滝めぐり”
ガイド養成講座

孵化室の消毒作業

ヒキガエル

魚類放流体験学習会

アマゴやヤマメの
採卵と人工受精




11 12 13 14 15 16 17
2010年 2010 年 2010年
11 12 13 14 15 16 17
< 10 月 11 12 月 >
せかぶ日誌  岐阜県河川環境研究所




せかぶ日誌のトップに戻る