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せかぶ日誌
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2010 年 9 月

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< 8 月  10 月 >



  2010 年 9 月 30 日 (木)


    岐阜県内水面漁場管理委員会

                  





 岐阜県内水面漁場管理委員会が岐阜市で開催されました。

 当研究所の職員は、今年実施したアマゴ ・ヤマメの発眼卵埋設の調査について報告を行いました (関連記事 : 2010 年 6 月 10 ・21 ・24 ・25 日、7 月 6 ・7 ・9 日、8 月 4 ・6 ・13 ・23 日)。






  2010 年 9 月 29 日 (水)


    飼育魚の移送

                  





 下呂支所では、屋外の飼育池でアマゴやヤマメなどを飼育しています。

 魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるか、いくつかの池に分けて飼育するようにしています。今回の作業では、1 ヶ所の池で飼育していたアマゴを 2 ヶ所の池に分けました。




カウンター (左手に持っている) で
計数しながら、新しい池に魚を入れる






  2010 年 9 月 28 日 (火)


    養魚講習会 (郡上会場)

                  





 今年度第 1 回目の養魚講習会を郡上総合庁舎の大会議室で開催しました。マス類の養殖業者の方々を中心に参集いただき、薬事法および採卵技術について講習を行いました。

 今回の講習会は郡上会場 (郡上市) のほか、西濃会場 (大垣市) および下呂会場 (下呂市) で開催します。






  2010 年 9 月 27 日 (月)


    河川で測量

                  





 ネコギギの潜水調査を予定している区間で、15 日の調査に引き続き、川幅や流程を測定しました。









  2010 年 9 月 24 日 (金)


    渓流で魚類調査

                  





 渓流で魚類調査を行いました。

 5 河川の計 7 地点で調査し、イワナ ・アマゴ ・カジカ大卵型の生息を確認しました。




イワナ






  2010 年 9 月 22 日 (水)


    飼育魚の移送

                  





 下呂支所では、屋外の飼育池でアマゴやヤマメなどを飼育しています。

 魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるようにしています。今日の作業では、来年の採卵用の親魚候補のアマゴを小型の A 号池から大型の F 号池に移し替えました。




カウンター (左手に持っている) で
計数しながら、新しい池に魚を入れる






  2010 年 9 月 21 日 (火)


    渓流で魚類調査

                  





 渓流で魚類調査を行いました。

 5 河川の計 6 地点で調査し、イワナ ・アマゴ ・カジカ大卵型の生息を確認しました。




アマゴ






  2010 年 9 月 20 日 (月)


    下呂支所で見られるカエル

                  



 前にヘビの話題がありました (2010 年 5 月 3 日)。下呂支所は川の水を利用しているので、ヘビの餌であるカエルもいます。代表的なものを紹介します。


 アマガエル Hyla japonica

 成体は水域に依存しないため、下呂支所の敷地内の池周辺はもちろん事務所を含めて広く見られます。一般的に明るい緑色のイメージがあるカエルですが、色の個体差が大きく、灰色や灰緑まだら模様などの個体も見られます。





 トノサマガエル Rana nigromaculata

 水田域のカエルの代表格で、下呂支所へは水田地帯を流れている導水路から入ってくるらしく、配水池に住み着いています。体の大きさの割にはジャンプ力がある上に警戒心が強いため、写真を撮るのが結構大変なカエルです。




 ツチガエル Rana rugosa

 トノサマガエルと同じく水田域に多いカエルです。トノサマガエルに比べて下呂支所の敷地内では少ないようです。








  2010 年 9 月 17 日 (金)


    アマゴのオス

                  



 産卵期の 10 月が近づき、成熟したアマゴ親魚の二次性徴が明確になってきました。


 特にオスの性徴は一目瞭然です。未成熟の魚と比べてみると、成熟オスには以下の特徴があります。

・全体的に体が黒っぽくなります。また体表の鱗の質感が
 目立たなくなり、ヌメヌメした感じになります。

・口先(吻端)がとがって伸張してきます。大きい魚になると
 伸張した先がへの字に曲がります。




成熟オス




未成熟






  2010 年 9 月 16 日 (木)


    オオサンショウウオ

                  





 河川調査の際に見つけたオオサンショウウオ Andrias japonicus です。

 体長は 1 m を超えていました。本種は現生では世界最大級の両生類です。ライトに照らされても悠然としており、まさに川の主といったところです。岐阜のちっぽけな川に世界最大の両生類がいる。岐阜の川のすばらしさを改めて感じます。






  2010 年 9 月 15 日 (水)


    河川で測量

                  





 昨日ネコギギの生息調査を行った区間で川幅や流程を測定しました。

 あいにくの雨模様で少し寒いくらいでしたが、水温が比較的高いのが救いでした。




深い場所は泳いで川を横断






  2010 年 9 月 14 日 (火)


    ネコギギの潜水調査

                  





 昨年のネコギギの調査 (関連記事 : 2009 年 9 月 20 日) で、生息が確認できなった河川において再度調査を行いました。

 昨年の調査地点ではやはりネコギギは確認できませんでしたが、その直下や上流域では生息が確認されました。どうも調査地点にネコギギの生息に適さない要因があったようです。今後もう少し上流まで調査地点を広げていく予定です。




ネコギギは夜行性なので、夜の川で潜水調査






  2010 年 9 月 13 日 (月)


    渓流魚の新しい放流方法
    「親魚放流 (しんぎょほうりゅう)」 について


                  



 現在、国内各地で実施されている渓流魚の発眼卵埋設は、マニュアルも作成されているとはいえ、うまくいかない場合もあるようです。そこでその代替策として、「親魚放流 (しんぎょほうりゅう : 産卵期に十分に成熟した魚を河川に放流し、この放流魚に自発的に産卵させる増殖手法)」 の可能性を検証しました (関連記事 : 2009 年 10 月 15 日 ・11 月 24 日)。この成果は、今年 5 月に刊行された日本水産学会誌 76 巻 3 号に掲載されました。

 当研究所では、完全に成熟したアマゴの雌親魚と雄親魚を河川に放流し、実際に産卵するかどうかを確認するとともに、産卵場所の特徴や産み込まれた卵の発眼率を調査しました。その結果、放流当日から産卵行動が確認されました。




河床を掘るメス親魚


 また、産卵場所の立地条件は野生魚のものと同様で、放流魚でも正常に産卵することが確認され、発眼率は平均 90.6 % と良好で、ふ化も確認できました。





ふ化仔魚


この親魚放流は発眼卵埋設に比べて、

 @ 場所選定の失敗が少なく、作業量も少ない。
 A 成魚放流を行っている漁業協同組合であれば、
   技術の習得や用具の購入の必要がない。
 B 孵化や浮上の時期がより野生魚に近くなる。
 C 産卵シーンを間近で観察することができ、地域の
   観光資源や環境教育の教材として活用することも
   できる。
                      等の利点があります。

逆に欠点として、

 @ 大量放流には活魚トラックが必要となり、コストが
   かかる。また、川沿いに車道のない場所では、
   親魚の輸送に手間がかかる。
 A 親魚 1 尾の損耗が増殖効率を著しく低下させる。
 B 産卵適地の無い川には放流しても効果が望めない。

                      等が考えられます。

 親魚放流を実施する場合、上記の利点 ・欠点をしっかり認識して行っていくことが大切です。


※ 参考文献

  コ原哲也 ・岸 大弼 ・原 徹 ・熊崎 博.2010.河川
   放流した養殖アマゴ成熟親魚の産卵床立地条件と
   卵の発眼率.日本水産学会誌,76 : 370-374.
    < 外部リンク >






  2010 年 9 月 10 日 (金)


    河川環境楽園 環境教育ネットワーク 会議

                  





 河川環境楽園内の 5 施設が合同で設立している 「河川環境楽園環境教育ネットワーク」 の会議が行われ、夏休みに共同開催したイベント “川の楽校 2010” のふりかえりと来年度にむけての話合いを行いました。また、当研究所で開発した新しい 2 つの教育プログラムの紹介も行いました。

 プログラム 「魚のかたちを勉強しよう」 では、魚のひれについての解説を聞きながら風船に魚の絵を描くことで魚の形態を学ぶ内容になっています。プログラム 「川ぞい林のやくわり」 では、当研究所が製作した 「水温観察水路」 を用いて日なたと日かげで水温の上がりやすさを比較し、渓畔林のやくわりについて学ぶ内容になっています。今後、河川環境楽園内の施設における教育活動で使用していただきたいと考えています。




 水温観察水路






  2010 年 9 月 9 日 (木)


    アユの測定作業

                  





 本所の職員が下呂支所に赴き、下呂支所の実験器材を用いてアユの体サイズの測定を行いました。

 当研究所では、今回の実験のように必要に応じて本所と下呂支所で設備や器材を共用するようにしています。






  2010 年 9 月 8 日 (水)


    アユの保菌検査

                  





 県内の漁業協同組合から、河川で漁獲したアユについて冷水病原因菌等の保菌検査の依頼がありました。

 えらと腎臓の組織片を寒天培地に塗り、後日、生えてきた菌を遺伝子診断します。




培地へのサンプルの塗布
この後、培養と判定に 3 週間程度を要する






  2010 年 9 月 7 日 (火)


    調査河川の下見

                  





 ネコギギの潜水観察を予定している水系で調査地の下見を行いました。

 6 河川の計 18 地点を巡回して、淵の状況や堰堤の位置などを確認しました。






  2010 年 9 月 6 日 (月)


    水路で生物調査

                  





 下呂農林事務所により水路に生息する生物の調査が行われました。

 地元の市民や当研究所の職員が生物の採集に協力し、カワヨシノボリ ・ドジョウ ・アブラハヤなどの魚類のほか、コオイムシ ・ナベブタムシ ・カワニナなどの生息を確認しました。








  2010 年 9 月 3 日 (金)


    渓流で魚類調査

                  





 渓流で魚類調査を行いました。

 今日は計 8 地点で調査し、イワナ ・アマゴ ・カジカ大卵型 ・アジメドジョウ ・タカハヤの生息を確認しました。




アマゴ






  2010 年 9 月 2 日 (木)


    ハコネサンショウウオ

                  



 源流部で魚類相の調査中に、水の中にくねくねと動く生き物の姿が・・。「おっ、イワナか?」 と思いすくい上げると、細長い体に手と足が生えたトカゲのような生き物が・・・。




 これは 「ハコネサンショウウオ」 というサンショウウオで、カエルやイモリと同じ両生類の 1 種です。名前はハコネ (箱根) とついていますが、岐阜県の渓流域でもよく見られます。大きさはせいぜい 10 cm 程度で可愛らしい感じがします。

 調査している経験では、イワナが少ない沢では逆にハコネサンショウウオが多い感じがします。図鑑によれば、このハコネサンショウウオの産卵生態には不明な点が多いとのこと、日本の生物もまだまだ不思議と神秘が残っています。






  2010 年 9 月 1 日 (水)


    ヤマメの選別作業

                  






 
同じ池で飼育している同じ系統の魚でも、成長速度には個体差があります。水槽実験や試験放流では、魚のサイズを揃える必要があるので、選別かご (関連記事 : 2009 年 7 月 6 日) を使用して、必要な体サイズの個体を選び出しています。

 今日の作業では、下呂支所の A 号池で飼育中のヤマメの選別を行いました。








記 事


岐阜県内水面
漁場管理委員会

飼育魚の移送

養魚講習会
(郡上会場)

河川で測量

渓流で魚類調査

飼育魚の移送

渓流で魚類調査

下呂支所で
見られるカエル

アマゴのオス

オオサンショウウオ

河川で測量

ネコギギの潜水調査

渓流魚の新しい
放流方法 「親魚
放流 (しんぎょ
ほうりゅう)」
について

河川環境楽園
環境教育
ネットワーク会議

アユの測定作業

アユの保菌検査

調査河川の下見

水路で生物調査

渓流で魚類調査

ハコネ
サンショウウオ

ヤマメの選別作業




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