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せかぶ日誌
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2010 年 3 月

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< 2 月  4 月 >



  2010 年 3 月 31 日 (水)


    水生ミミズ類の分析

                  





剛毛



 当研究所では、水路の生物調査の一環で水生ミミズ類の分析も行っています。

 ミミズ類には、よく知られている陸生のミミズ類以外に水生のミミズ類がいます。水生のミミズ類は、陸生のものよりも一般に小型で、10cmを超えることはまれなので、あまり知られていませんが、河川や湖沼などでは、魚類など他の水生生物の餌や有機物の分解者として重要な役割を果たしています。水生ミミズ類の種類は、剛毛や生殖器の形を顕微鏡で
観察して判別しています。




生殖器






  2010 年 3 月 30 日 (火)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





親魚の成熟度合いの確認作業
1個体ずつ確認して、採卵可能なものを選び出す



 下呂支所で今年 4回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 親魚の成熟度合いを確認しながら、来週以降も採卵と人工受精を行う予定です。




選び出した親魚を採卵室に搬入




雄の親魚から 1個体ずつ精液を採取




受精させる前に精子の運動性を顕微鏡で確認




顕微鏡で見た精子






  2010 年 3 月 29 日 (月)


    春の訪れ

                  





 下呂支所の敷地内のウメが見頃です。また、ヤナギが芽を吹き始めました。本格的な春の訪れです。

 ヤナギ類は、川沿いの林でよく見られる樹種です。山間部の渓流の場合、川沿いの林は 「渓畔林 (けいはんりん)」 と呼ばれ、水温の調節 ・魚の餌となる落下昆虫の供給 ・水生昆虫の餌となる落葉の供給 ・淵を形成する倒木の供給 ・栄養塩の除去など大切な役割を持っています。ヤナギ類は、挿し木で増やすことが可能であり、かつ成長が速いことから、荒廃渓流の植生復元で使用された例があります。渓流環境の保全方法を考える際、ヤナギ類は有望な材料のひとつになるかもしれません。








  2010 年 3 月 26 日 (金)


    ユスリカ類の分析

                  





モンユスリカ亜科




 当研究所では、水路の生物調査の一環でユスリカ類の分析を行っています。

 ユスリカ類は、河川や湖沼などで普通に見られる水生昆虫で、“赤虫” と呼ばれる種類もそのひとつです。ユスリカ類は 10mm以下と小さいものの、生息量が多いため、小型の魚類など多くの水生生物の重要な餌資源になっています。ユスリカ類の口の構造には、種類によって特徴があります。そのため、口にある下唇板の形などを顕微鏡で観察して種類を判別しています。




ヤマユスリカ亜科




ユスリカ亜科




エリユスリカ亜科






  2010 年 3 月 25 日 (木)


    カジカの仔魚の餌

                  





水中に浮かんでいる小さいものがアルテミアの幼生
全長 約 0.5mm



 当研究所では、カジカの仔魚の餌として“アルテミア”を使用しています。アルテミアは、甲殻類の 1種でカジカの仔魚の飼育には欠かせない餌です。

 アルテミアは、乾燥状態の卵が市販されており、これを 28℃程度に加温した 3%食塩水中に入れておくと、1日ほどでふ化します。当研究所では、アルテミアを毎日ふ化させており、容器内のアルテミアをプランクトンネットで回収して、カジカの仔魚に与えています。




プランクトンネットでアルテミアを濾し取る




回収したアルテミアをボトルに移す




アルテミアは橙色で、大量にいると、
写真のように水が橙色に染まったように見える




カジカ仔魚の飼育水槽に投入






  2010 年 3 月 24 日 (水)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 下呂支所で今年 3回目のニジマスの採卵と人工受精を行いました。

 親魚の成熟度合いを確認しながら、来週以降も採卵と人工受精を行う予定です。




受精作業





受精卵を卵収容水槽に入れる






  2010 年 3 月 23 日 (火)


    アユの成魚を展示中

                  





 本所の見学通路では、2008年の秋生まれのアユを水槽で展示中です。アユの寿命は 1年であり、通常の日照条件では秋には成熟して、産卵後に死んでしまいます。そこで当研究所では、蛍光灯をつけて夏の日照条件を再現することにより、これらの個体の成熟を抑制しています。

 2008年の秋生まれの個体の場合、本来は、翌 2009年の秋に一生を終えますが、当研究所で展示中のアユは成熟せず、年越しして現在も活発に泳ぎまわっています。通常、この時期のアユは、稚魚になって間もない頃であり、春先に成魚を観察できる機会はなかなかありません。アユでは希少なコバルト個体 (関連記事 : 2009年 12月 6日) も引き続き展示中です。ぜひご覧ください。






  2010 年 3 月 22 日 (月)


    井戸の日よけシートの取り付け

                  





 先日、下呂支所の井戸で、日よけシートの取り付けを行いました。

 井戸の中に藻が生えると、配水管が詰まるなどトラブルの原因になるので、春から秋は、藻が生えないよう井戸に日よけシートをかぶせています。ただし、冬は、雪の重みで破れる恐れがあるので、毎年、雪が降り始める直前に日よけシートを取り外しておき、春先に再度取り付けるようにしています (関連記事 : 2009年 12月 23日)。












  2010 年 3 月 21 日 (日)


    ふきのとう

                  





 野外調査の際に川沿いで見つけたふきのとうです。

 食べ頃でしたが、せっかく川に春を告げに来た使者です。
そっとしておきました。






  2010 年 3 月 20 日 (土)


    水路の掃除

                  





 14日に下呂支所の周辺で地元住民の方々により水路の掃除が行われました。

 下呂支所の導水路も水を一時的に止めて、水路の底にたまった砂利の除去やごみ拾いを行いました。






  2010 年 3 月 19 日 (金)


    揚水ポンプのバルブ交換

                  





 下呂支所で揚水ポンプのバルブ交換を行いました。

 先日、揚水ポンプのバルブが老朽化により故障し、水量を調節できなくなりました。このバルブは 「岐阜県水産試験場」 の時代から使用しているもので、設置からすでに 50年近く経過しています。古いバルブを取り外した後、新しいバルブに交換しました。











  2010 年 3 月 18 日 (木)


    渓流で魚類調査

                  





 春に試験放流したアマゴの稚魚 (関連記事 : 2009年 6月 18日) の生残状況を調査しました。

 雪解けのため少し高めの水位ではありましたが、予想していたより残留が良いという結果でした。




アマゴ






  2010 年 3 月 17 日 (水)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 下呂支所でニジマスの採卵と人工受精を実施中です。

 親魚の成熟度合いを確認して、来週以降も採卵と人工受精を行う予定です。




1個体ずつ卵を採取する





採取したばかりの卵
この後、受精を行ってから、卵収容水槽に入れる







  2010 年 3 月 16 日 (火)


    ウシモツゴ放流会

                  





 美濃市立藍見小学校において、藍見ふれあいビオトープ完成式とウシモツゴ放流会が開催されました。

 小学校北側の農地に地権者のご理解を得て設置された “藍見ふれあいビオトープ” は、藍見小学校、地元自治会、岐阜 ・美濃生態系研究会、岐阜県世界淡水魚園水族館アクア・トト ぎふ、美濃市、岐阜県博物館、当研究所などが協働で手作りしたビオトープです。今回は、このビオトープへ美濃市地域に生息していた系統のウシモツゴを放流しました。今後は、ウシモツゴ保護池としての機能だけではなく、自然にビオトープに入ってくる生物も共存できる多様性のあるビオトープになると期待されています。








  2010 年 3 月 15 日 (月)


    アユの稚魚への給餌

                  





水面に薄く広がっているのが配合飼料



 以前に紹介したように飼育初期のアユには、シオミズツボワムシと呼ばれる動物プランクトン (関連記事 : 2009
年 11月 3日 ・ 2010年 1月 3日) と配合飼料を併用して給餌しています。やがて、アユの成長とともに、動物プランクトンを併用する給餌から、配合飼料のみの給餌に移行します。

 現在、本所で飼育中のアユの稚魚には、配合飼料のみを与えています。配合飼料の給餌で気をつけなくてはならないのは、餌の食べ残しによる水質の悪化です。当研究所のように小規模な水槽で飼育する場合は、水質の悪化が急に進行することがあるので、特に注意が必要です。アユの仔魚は、底に沈んだ餌は食べません。当研究所では、食べ残しをできるだけ出さないように、アユの摂餌に適した浮きやすい餌を使用しています。






  2010 年 3 月 14 日 (日)


    春の使者

                  





 下呂支所で梅の花が咲き始めました。また、つくしが顔を出し始めました。いよいよ春がやってきました。








  2010 年 3 月 13 日 (土)


    ビオトープ作り

                  





 希少魚保全のためのビオトープ作りがありました (関連記事 : 2月 21日)。前回作成したビオトープの細かな手直しを行いました。

 当日は、関係者や地域の方々が 20名ほど集まり、子供たちが観察しやすいように、池の周囲の足場を固めるなどの作業を実施しました。








  2010 年 3 月 12 日 (金)


    巡回指導

                  





 養魚指導の一環で白川村に行ってきました。

 岐阜県漁業協同組合連合会が実施している 「アマゴ ・ヤマメ里親教室」 で、県内の小学校 34校に下呂支所から発眼卵を提供しました (関連記事 : 2009年 11月 12日)。今回は、そのうちヤマメの発眼卵を提供した 1校に訪問し、稚魚の生育状況を確認しました。

 まだ雪深く寒いところでしたが、さすが世界遺産の村には雪がよく似合います。養魚指導の方を無事終え、しばし景色にみとれました。




体サイズの大きい個体と
小さい個体とに分けて飼育中




飼育日誌








  2010 年 3 月 11 日 (木)


    ぎふ・水環境ネットワーク

                  





 (財) 岐阜県環境管理技術センター主催の 「ぎふ ・水環境ネットワーク設立総会」 が 9日に開かれ、当研究所はオブザーバーとして参加しました。

 今回の総会には、水環境に関する保全活動を積極的に
行っている県内の約 70団体が参加し、今後の活動につい
て熱心な意見交換が行われました。






  2010 年 3 月 10 日 (水)


    ニジマスの採卵と人工受精

                  





 下呂支所で、ニジマスの採卵と人工受精が始まりました (関連記事 : 3月 2日)。

 今後、4月中旬まで、成熟した親魚を選んで採卵と人工受精を行う予定です。




親魚の成熟度合いの確認作業
1個体ずつ確認して、採卵可能なものを選び出す




人工受精の様子






  2010 年 3 月 9 日 (火)


    巡回指導

                  





 養殖業者への巡回指導を行いました。

 アマゴの養殖業者 1軒を訪問し、生産魚の流通状況や魚病の発生状況について聞き取りを行うとともに、稚魚の生育状況を確認しました。






  2010 年 3 月 8 日 (月)


    水路での人工産卵場の造成

                  





 下呂支所の実験水路に試験的に造成した人工産卵場 (関連記事 : 2009年 5月 1日) で魚類調査を行いました。

 造成前 (昨年 3月) は、確認されたのはカワヨシノボリ 1種でしたが、造成後 (今回の調査) は、カワヨシノボリ ・アブラハヤ ・オイカワ ・ドジョウの 4種が確認されました。ただし、いずれの魚種についても、他の場所でふ化した個体が後からこの人工産卵場に移動してきたものと思われ、残念ながら産卵場としての機能は発揮できなかったようです。

 今回の人工産卵場は、中流域に分布するコイ科魚類やスナヤツメなどの産卵を想定して造成しました。しかし、水量が不足していたようで、砂利の上に泥が堆積して産卵に適さない状態になっていました。産卵場への泥の堆積を防ぐため、十分な水量の確保が必要といえます。




アブラハヤ




オイカワ






  2010 年 3 月 6 日 (土)


    アユの生育状況

                  





 生まれたばかりのアユは、仔魚と呼ばれ、糸くずのような体型をしています (関連記事 : 2009年 11月 3日 ・12月 5日)。

 その後、仔魚は、冬から春にかけて成長とともに大人のアユと同じような体型へと変化します。本所で飼育中のアユも、仔魚の段階を過ぎ、稚アユへと成長しました。








  2010 年 3 月 5 日 (金)


    アマゴの稚魚の飼育水槽

                  





 下呂支所では、アマゴやヤマメなどの稚魚を FRP (強化プラスチック) 水槽で飼育しています。水槽内には緩やかながらも流れがあり、稚魚は泳ぎながら定位しています。

 稚魚の移し替えの際、水槽にバケツで水を流し込むと一時的に渦巻きができます。水は無色透明なので、水流の向きを観察することは簡単ではありませんが、そこにアマゴの稚魚がいると、流れの中で定位しようとするので、写真のように水流の様子をはっきりと観察することができます。








  2010 年 3 月 4 日 (木)


    アマゴの体サイズ測定

                  





 下呂支所でアマゴの体サイズ測定を行いました。

 同じ魚種であっても系統によって成長の速さに差が生じることがあれば、同じ系統であっても飼育方法によって差が生じることもあります。下呂支所では、アマゴやヤマメなどの体サイズ測定を目的に応じて随時行っており、どれくらいの差異があるのかを調べています。







冷たい雨の中での作業






  2010 年 3 月 3 日 (水)


    イタチ ?

                  





 下呂支所の飼育池の近くでイタチらしき足跡が見つかりま
した。

 イタチは小さい隙間からも侵入でき、泳ぎがうまいため、飼育魚にとっては脅威です。飼育池の金網の隙間の有無を確認するなど対策が必要かもしれません。






  2010 年 3 月 2 日 (火)


    ニジマス親魚の雌雄選別

                  






 
下呂支所では、春に成熟する系統のニジマス親魚を飼育しています。

 今年も採卵の時期が近づいてきたため、雌と雄の選別を行いました。今後、成熟した親魚から順に採卵を実施していく予定です。






  2010 年 3 月 1 日 (月)


    養殖魚の魚病診断

                  






 
県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回診断の依頼があったのはアマゴで、体重 0.4gほどの稚魚です。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫 ・細菌 ・ウイルスの有無などを調べて死亡原因を明らかにし、養殖業者に対応策を指導しています。




培地へのサンプルの塗布








記 事


水生ミミズ類の分析

ニジマスの
採卵と人工受精

春の訪れ

ユスリカ類の分析

カジカの仔魚の餌

ニジマスの
採卵と人工受精

アユの成魚を展示中

井戸の日よけ
シートの取り付け

ふきのとう

水路の掃除

揚水ポンプの
バルブ交換

渓流で魚類調査

ニジマスの
採卵と人工受精

ウシモツゴ放流会

アユの稚魚への給餌

春の使者

ビオトープ作り

巡回指導

ぎふ・水環境
ネットワーク

ニジマスの
採卵と人工受精

巡回指導

水路での
人工産卵場の造成

アユの生育状況

アマゴの稚魚の
飼育水槽

アマゴの
体サイズ測定

イタチ ?

ニジマス親魚の
雌雄選別

養殖魚の魚病診断




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