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せかぶ日誌
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2017 年 9 月

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< 8 月  10 月 >


2017 9 29 日 (金)
人工産卵河川における産卵場整備の必要性
 





 渓流魚の人工産卵河川では、旧河道または水路の転用、あるいは新規掘削により流路を造成した後、水制工の設置と砂利の敷設により産卵場が整備されています (2016 年 10 月 22 日)。

 人工産卵河川は、渓流魚の自然繁殖に寄与するものと期待されています。しかし、産卵場の整備前に産卵適地が不十分であることや、整備後に産卵適地が増加することは、経験的に認識されているにすぎず、明確な根拠が示されないまま整備方法の普及が先行しているのが実情でした。




産卵場の整備




産卵場の整備前





産卵場の整備後


 当研究所では、人工産卵河川の水深・流速・河床材料を 2009 年に調査し、産卵場の整備前と整備後とを比較しました (関連記事 : 2009 年 9 月 17 日・10 月 10 日)。

 調査の結果、産卵に適した地点の割合は、産卵場の整備前の 2.0% から整備後は 11.1% に増加し、整備作業の有効性が裏付けられました。その後、実際にイワナの産卵が観察され、整備した産卵場が役立っていることが確認されました。




イワナの産卵行動 (手前側: 雌、奥側: 雄)




確認された卵



参考文献

岸 大弼・コ原哲也.2017.岐阜県下呂市馬瀬に整備
  された人工産卵河川の物理環境およびイワナの
  産卵状況.応用生態工学,19: 221-231.
  < 外部リンク >





2017 9 28 日 (木)
卵管理水槽の冷却装置
 





 下呂支所では、10 月中旬から 11 月中旬にかけてアマゴ・ヤマメ・イワナの採卵と人工受精を順次実施する予定です。

 受精卵は、アマゴやヤマメでは 15 度以下、イワナでは 11 度以下の水温で管理する必要があります。しかし、例年、10 月中は、井戸水が 15 度以上であることが多いため、卵管理水槽に収容する受精卵への悪影響が心配される状況です。今回の作業では、卵管理水槽の配管を一時的に組み替えて冷却装置を追加しました。




冷却装置








2017 9 27 日 (水)
養殖魚の魚病診断
 





 下呂支所に県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回、診断の依頼があったのはアマゴです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫・細菌・ウイルスの有無など確認して死亡原因を調べ、養殖業者に対応策を指導しています。








2017 9 26 日 (火)
ウキクサの除去作業
 





 下呂支所の C 号池でウキクサの除去作業を行いました。

 注水量の少ない飼育池では、あっという間にウキクサが増えるので、除去するのが大変です。











2017 9 25 日 (月)
キンモクセイ
 





 下呂支所の敷地内でキンモクセイが咲き始めました。あたり一面に良い香りが広がっています。

 来月、キンモクセイが咲き終わる頃には、いよいよアマゴなどの採卵が始まります。














2017 9 22 日 (金)
養殖魚の魚病診断
 





 下呂支所に県内の養殖場から魚病診断の依頼がありました。

 今回、診断の依頼があったのはニジマスです。養殖場は、自然界よりも高い密度で魚を飼育しており、病気が蔓延すると大きな被害が出る恐れがあるので、原因の把握と適切な対応が不可欠です。当研究所では、寄生虫・細菌・ウイルスの有無など確認して死亡原因を調べ、養殖業者に対応策を指導しています。








2017 9 21 日 (木)
人工産卵河川で流量測定
 





 渓流魚の人工産卵河川で流量の測定を行いました。

 国内では、渓流魚の人工産卵河川がこれまでに 5 箇所で造成されています。そのうち 3 箇所は県内の事例であり、岐阜県は渓流魚の人工産卵河川の先進地といえます (関連記事 : 2016 年 10 月 22 日)。

 下呂支所では、現在、人工産卵河川の物理環境や稚魚の出現状況などを調査しています (関連記事 : 2016 年 9 月 27 日; 2017 年 3 月 30 日、6 月 14・15・19 日)。



参考文献

岸 大弼・コ原哲也.2017.岐阜県下呂市馬瀬に整備
  された人工産卵河川の物理環境およびイワナの
  産卵状況.応用生態工学,19: 221-231.
  < 外部リンク >

岸 大弼・上田利章・徳田幸憲・コ原哲也.2017.渓流魚
  人工産卵河川における産卵場整備での砂利の使用
  量.岐阜県水産研究所研究報告,62: 9-13.
  < PDF >








2017 9 20 日 (水)
ムクゲ
 





 下呂支所の敷地内でムクゲが咲いています。

 下呂支所では、毎年、7 月から 9 月にかけて花が咲きます。











2017 9 19 日 (火)
アナログプロジェクタ
 





 下呂支所でA3 型アナログプロジェクタ (17 インチ) 用の新しいスライドを製作しました。

 アナログプロジェクタは、2006 年に下呂支所で製作したスライド上映装置です (関連記事 : 2013 年 7 月 17 日、2014 年 6 月 18 日・11 月 22 日)。PC プロジェクタが使用できない屋外での生物教育企画で重用しています。

 アナログプロジェクタの本体は、塩ビ管で組んだ簡素な外見ではあるものの、直径 16 ・20 ・25 mm の管を使い分けて計 31 個の部材で設計しています。装置の前面には、実際のアナログテレビ (17 インチ) の外枠を流用しました。内部には A3 サイズのスライドを連結した 「巻き物」 を装備しており、ハンドルを回すと次のスライドが表示される仕掛けになっています。手動ですが、巻き戻しも可能です。現在、企画の内容に応じて 7 種類の巻き物があり、必要に応じて新しい巻き物を随時製作しています。




巻き物の軸の製作










これに A3 サイズのスライドをつなげてゆく


 巻き物の元となるファイルは、パソコンで作成しています。ただし、PC プロジェクタ用のファイルとは異なり、文字のサイズや配置など特別な調整が必要で、その作成は容易ではありません。また、その印刷後の作業にも時間と労力が必要で、A3 サイズで印刷したスライドを表裏で 2 種類のテープを使い分けて連結するという細かい作業を延々と行わなければなりません。

 今回の新作は、渓流魚の人工産卵河川に関するもので、計 35 ページ 10 m という長い巻き物です。A3 用紙への印刷後、この巻き物 1 本の製作に 2 人がかりで半日を費やしました。




スライドの連結作業




今回の新作は 計 35 ページ 10 m




巻き取って完成





2017 9 18 日 (月)
台風18号
 





 17 日夜から台風 18 号の接近に伴い、下呂市も強風を伴う雨が降りました。

 雨量そのものはそれほどのものではありませんでしたが、強風のため、落ち葉等の流下物が増加し、飼育池の注水部に詰まるため、18 日夜明けまで職員が除去作業に追われました。








2017 9 15 日 (金)
渓流で魚類調査
 





 今日も渓流で魚類調査を行いました。

 今日の調査は 11・14 日と同じ渓流のさらに上流側の区間で実施し、イワナ・ヤマメ・カジカ大卵型の生息を確認しました。




ヤマメ





2017 9 14 日 (木)
渓流で魚類調査
 





 渓流で魚類調査を行いました。

 今回の調査は 11 日と同じ渓流の上流側の区間で実施し、イワナ・ヤマメ・カジカ大卵型の生息を確認しました。




イワナ





2017 9 13 日 (水)
アユの漁獲調査
 





 14 日に関市内の河川でアユの漁獲調査を行いました。

 今回は、友釣りで漁獲したアユを下呂支所に持ち帰り、体サイズ測定や保菌検査を行いました。








2017 9 12 日 (火)
ヒガンバナ
 





 9 月も中旬になり、下呂支所の敷地内ではヒガンバナが咲いています。

 下呂支所や近くの飛騨川 (益田川) の堤防では、毎年、この時期に花を咲かせています。





2017 9 11 日 (月)
渓流で魚類調査
 





 渓流で魚類調査を行いました。

 今回の調査は先週とは別の渓流で実施し、イワナ・ヤマメ・カジカ大卵型の生息を確認しました。引き続き、同じ渓流の上流側の区間で調査を行う予定です。




ヤマメ





2017 9 8 日 (金)
飼育魚の移動
 





 下呂支所で飼育魚の移動を行いました。

 下呂支所では、主に屋外の飼育池でアマゴやニジマスなどを飼育しています。魚が混みあっている飼育池では病気が発生しやすくなるので、個体数や体サイズに応じて、より大きい池に魚を移し替えるか、いくつかの池に分けて飼育するようにしています。

 今回の作業では、ふ化室の水槽で飼育していたニジマスの稚魚をA 号池に移動させました。








2017 9 7 日 (木)
ニジマスのコバルト 出現せず
 





 下呂支所のふ化室では、ニジマスの稚魚の中から 「コバルト」 がたまに発見されます。

 コバルトは、体が淡い青色 (コバルト色) を呈した個体の通称で、脳下垂体を持たない個体であるといわれています。昔から各地の養魚場のニジマスで見つかっているほか、過去には本所で飼育中のアユでも見つかっています (関連記事 : 2009 年 12 月 6 日・2012 年 4 月 2 日)。

 下呂支所のニジマスの稚魚の例では、2013・2014・2016 年にコバルトが確認されています (関連記事 : 2013 年 8 月 16 日・2014年 8 月 14 日・2016 年 7 月 24 日)。今年もこうした個体を探しましたが、発見されませんでした。




2013 年に出現したコバルト (上側) と
通常個体 (下側)




2014 年に出現したコバルト (中央)




2016 年に出現したコバルト (上側) と
通常個体 (下側)






2017 9 6 日 (水)
飼育池の掃除
 





 下呂支所で飼育池の掃除を行いました。

 魚を飼育している池では、残餌や排泄物の掃除が必要です。また、水源の飛騨川 (益田川) の増水時に濁った水が流入すると飼育池の底に泥が堆積するので、その都度、掃除しなければなりません。使用していない池でも藻が生えたり落ち葉がたまったりするので、使用を再開する前に掃除するようにしています。







2017 9 5 日 (火)
渓流で魚類調査
 





 今日も渓流で魚類調査を行いました。

 今日の調査は昨日とは別の渓流で実施し、イワナの生息を確認しました。





2017 9 4 日 (月)
渓流で魚類調査
 





 渓流で魚類調査を行いました。

 今日の調査は先月 29 日と同じ渓流の下流側の区間で実施し、イワナ・ヤマメ・カジカ大卵型の生息を確認しました。




上側:イワナ 、下側: ヤマメ





2017 9 1 日 (金)
サワガニ
 





 下呂支所の庁舎内の廊下でサワガニが発見されました。通用口から無断で入ってきたようです (関連記事 : 7 月 6 日)。

 サワガニは、ヘビ (関連記事 : 5 月 29 日・8 月 14 日) と違って職員に巻き付くおそれがないため、いつも大目に見ています。











記 事


人工産卵河川に
おける産卵場整備の
必要性

卵管理水槽の
冷却装置

養殖魚の魚病診断

ウキクサの除去作業

キンモクセイ

養殖魚の魚病診断

人工産卵河川で
流量測定

ムクゲ

アナログ
プロジェクタ

台風18号

渓流で魚類調査

渓流で魚類調査

アユの漁獲調査

ヒガンバナ

渓流で魚類調査

飼育魚の移動

ニジマスのコバルト
出現せず

飼育池の掃除

渓流で魚類調査

渓流で魚類調査

サワガニ

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