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  − 水生生物の分類のポイント −     

 
 水生生物の分類作業において、間違えやすい生物を見分けるポイントを紹介します。

 以下の水生生物は、「カワゲラウオッチング」 などで川の水質を判定する際の指標生物となっているものもあります。これらの水生生物の同定を間違えると、水質の判定結果がおかしくなってしまうので、注意が必要です。




分類のポイント
カゲロウ と カワゲラ




「尾の数」 と 「えらの位置」 で見分ける





まず、尾の数を調べる−

カゲロウ

カワゲラ


3 本    
 尾の数−     2 本




注意 1 : 尾が 3本であれば、カゲロウで間違いないが、
例外として 尾が 2本のカゲロウもいるので注意



ヒラタカゲロウだけは、尾は 2本



注意 2 : カゲロウは尾がちぎれやすく、
尾が 3本ない場合があるので注意



尾が 1本だけのカゲロウ
(よく観察すると、2本ちぎれた痕がある)





尾の数だけで はっきりしなかった場合は、もう
ひとつのポイント 「えらの位置」 に注目する






えらの位置を調べる−

カゲロウ

カワゲラ


   腹の横  
 えらの位置−   足の付け根




注意 3 : カゲロウは えらがちぎれやすく、腹に
えらが見つからない場合があるので注意




一部のえらがちぎれたカゲロウ

場合によっては、全部のえらが
ちぎれていることもあるので注意



注意 4: カゲロウは えらをたたんでいる種もいるので、
ピンセットなどで触って えらの有無を確認すると良い







分類のポイント
ウズムシ と ヒル




体形 ・吸盤の有無 ・動き方で見分ける



ウズムシ



ヒル


多少は変形する

−体形

長く伸びたり 丸くなったりと
大きく変形する

なし

−吸盤

頭部と尾部が吸盤
(上図の赤で示した部分)

ゆっくりと はって動く

−動作

シャクトリムシのような
動き方で、
活発に動く






分類のポイント
トビケラ と ヘビトンボ




「きばの有無」 で見分ける


・昆虫の体は、頭部 ・胸部 ・腹部の 3つに分けられる

・きば : 頭部に付いている

・きばと前足とを間違えることがあるが、前足は胸部に
 付いているので、見分ける際に注目する






きばの有無を調べる−

トビケラ

ヘビトンボ


ない       
 きば−        
ある
(きばのように見えるのは前足)






分類のポイント
シマトビケラ と ナガレトビケラ




胸部の 「キチン板の数」 で見分ける


・胸部 : 足が付いている部分
     前胸 ・ 中胸 ・後胸の 3つに分かれている
     (それぞれ 1対ずつ足が付いている)

・キチン板 : エビやカニでいう甲羅のようなもの
     トビケラのキチン板も、ピンセットなどで
     触ると、甲羅のように硬いのが分かる






キチン板の数を調べる−

シマトビケラ

ナガレトビケラ


3ヶ所      −キチン版−      1ヶ所
 前胸 ・ 中胸 ・後胸       (前胸だけ)






分類のポイント
ユスリカ と ブユ




尾部にあるのが 「吸盤」 か 「えら」 かで見分ける





尾部を調べる−

ユスリカ

ブユ


ない       
 吸盤−        
ある

ある         えら−        ない








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