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  − エドワジエラ・イクタルリ感染症について −     


 全国各地で発生が報告されているエドワジエラ・イクタルリ感染症が岐阜県においても確認されています。

 この病気は細菌性の感染症ですので、まずは原因菌を河川に持ち込まないことが対策の基本です。岐阜県内にもまだ発生していない河川があります。また、すでに発生した河川においても原因菌の新たな持ち込みを防ぐことにより被害を抑制できる可能性があります。

 この感染症の被害を抑制するためには、漁業者や遊漁者の方々のご協力が不可欠です。他の河川で漁獲したアユを持ち込まない、漁獲したアユを他の河川へ持ち出さないよう、より一層のご理解とご協力をお願いします。




  エドワジエラ・イクタルリ感染症とは?

細菌 (Edwardsiella ictaluri) による感染症です。
この細菌は、海外のナマズ類の病気の原因菌として知られていましたが、平成 19 年に国内の河川におけるアユ死亡魚から検出されました。
この細菌は、国内のアユにも病原性を示すことが実験により確認されています。
アユの場合は、夏場の水温の高い時期 (水温 20℃以上) に発症しやすい病気です。
この細菌に感染した魚を食べても、人体に影響はありません。アユから分離されたエドワジエラ ・イクタルリは、37℃では増殖しないことが農林水産省により確認されており、これまでに人に害を及ぼしたケースは 1 例も報告されていません。


  エドワジエラ・イクタルリ感染症の症状は?

アユの場合は、目立った症状を示さないケースも多くありますが、以下のような症状を示すことがあります。
腹部がふくれる。血液の混じった腹水が貯まる。
眼球が突出する。
体表や肛門部が赤くなる。
体表に小さな出血斑が多数現れる。




症状の一例 (眼球の突出)




症状の一例 (体表の小さな出血斑



  この感染症のまん延を防止するため、次のことにご協力ください。

友釣り等によって捕獲したアユを 「おとり」 等として他の河川に持ち出さないで下さい。他の河川に拡散するおそれがあります。
夏場の水温の高い時期に、上記の症状のあるアユやナマズなどを発見した場合は、お近くの漁業協同組合または当研究所へご連絡ください。
上記の症状のある魚は、川へ捨てないで下さい。被害が拡大するおそれがあります。




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